業界初の無人仕様をはじめとするDRH1200の収穫作業がスタート お気に入りに追加
DRH1200A(無人仕様・有人仕様)、DRH1200(直進アシスト機能付き)お客様インタビュー
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2024年1月にデビューした、業界初※の無人自動運転コンバインであるアグリロボコンバインDRH1200A-A(無人仕様)。DRH1200は「無人仕様」の他に「有人仕様」と「GS機能を装備した標準機」の全3機種をラインアップしています。初夏、麦刈りシーズンの到来で初めての収穫作業を迎えたDRH1200。3機種それぞれを導入し、麦の収穫に取り組んだ北海道のお客様にお話を伺いました。
※2024年9月現在 クボタ調べ

<無人仕様> 無人で自動で収穫できる、これは画期的だと思いました

作業時間の有効活用や労働力不足の解決が課題

北海道当別町で、麦を約37ha、大豆を約5ha等、40ha超の経営に取り組む三浦春樹さん。父母と三浦さんの3名による家族経営で、農機での作業はほぼ三浦さんが担当しています。
普通型コンバインの更新時期を迎えた三浦さんの念頭にあったのは、今後の経営。「高齢の親が農作業をできなくなると私の作業が確実に増加する一方、近隣農家の離農による受託面積の増加も見込まれます」と話す三浦さん。さらに「農家の減少で地域の役員も引き受けなくてはならない。作業日和でも会合に時間をとられて、自分の作業ができなくなる」という懸念も。そこで三浦さんが考えたのは、省力化・省人化を実現し、作業時間の有効活用や労働力不足を解決できるコンバインの導入。「海外の大型コンバインは一気に作業ができるが、価格や保管場所が厳しい。やはり、大豆等の刈取りもきれいにできる普通型の方が私の作業体系に適しているのではないかと思ったんです。直進制御による作業効率向上にも惹かれました。そんな時、北海道クボタ当別営業所の岩渕所長から無人仕様のアグリロボコンバイン DRH1200A-Aを提案していただきました。無人自動運転で収穫作業ができるというのは本当に画期的で、省力化・省人化を考えたらこんなにいい機械はないと思います」と、導入の経緯を話してくださいました。

今後、作業者が一名になることを見据え、労働力不足と規模拡大への対応へ。無人仕様を導入した三浦春樹さん

無人自動運転と手動運転の組み合わせで今後への手ごたえを感じる

無人仕様のアグリロボコンバインの運用は、7月の麦の刈取りからスタート。全国初、お客様による無人自動運転での収穫作業を終えた三浦さんは「無人自動運転で刈取り、排出を行うだけでなく中割りも自動。無駄なく一番良い回り方を機械が選択して作業していました。初めての操作に慣れなかった部分もありましたが、リモコン通信可能範囲(約250m)を考慮しながら、ほ場に合わせて使っていきたいです」と振り返ってくださいました。
今後のアグリロボコンバインの運用は「父に無人自動運転の監視を任せ、私はモミの運搬や乾燥機の準備を行うつもりです。両親が作業できなくなった場合を考えると、私一人でより多くの作業を効率的に進めるためにも、そのような活用は良いと思います。」とお考えです。
三浦さんは手動運転での収穫作業も実施。「以前のコンバインとは馬力も違うので一概には言えませんが、私の実感として1.5倍ぐらい速く作業を終えられました。排出された麦を確認したらゴミの混入が少なく、選別もとてもいい」と基本性能も高く評価されていました。
今回導入した無人仕様のアグリロボコンバインをはじめ、GS(直進アシスト)トラクタ、GPSガイダンスを装着したトラクタやドローン等、多様なスマート農機の活用で省力化・省人化に取り組む三浦さん。「作業者1名で、より手間がかからない」経営へ、さらなる進化を目指しています。

無人自動運転と手動運転による作業で、今年の麦の収穫が完了。歩留まりが良く、品質も良さそうとのこと

<有人仕様>若手作業者も熟練者並みに作業でき、規模拡大に対応できます

アグリロボと若手の力で面積の増加に立ち向かう

留萌市の中山間地区で、水稲、麦、大豆、そば、飼料米等を約80ha栽培する野原守さん。「高齢化、後継者不足で離農される方が多く、頼まれたところを引き受けていたら必然的に面積が増えてきました」と、個人経営で大面積を請け負うまでに至った経緯をお話しくださいました。
増え続ける面積へ対応するため「従業員を増やし、なるべく新人でも乗れるような機械を導入してきました」と話す野原さん。6年前から常勤の従業員を雇用し、GS田植機等を導入。今回導入した有人仕様のアグリロボコンバイン(DRH1200A-OP)の他、有人仕様のアグリロボ田植機(NW8SA-OP)も今年の春からフル活用しています。アグリロボ田植機については「無駄な動きがなくて効率が良い。1日の作業面積が1~2割増えました。従業員も不安なく作業でき、結果的に私はほとんど田植機に乗らなくなりました」と評価。「農機にちゃんと乗れるようになるには10年近くかかりますが、アグリロボはすごいもので、慣れてしまえばすぐに使えますからね」と、導入効果を話してくださいました。
今回、有人仕様のアグリロボコンバインを選んだ理由は「田植機もそうでしたが、私より従業員が、ぜひアグリロボをと言うので」とのこと。自動運転は、麦、大豆、飼料米の収穫で活用予定(そばの収穫はGS機能を活用)。「手動運転では、慣れないと刈幅の3分の2程度でしか刈れずに余計に走行してしまいます。しかしアグリロボでは刈幅を設定して自動運転ができるので、作業能率が良くなると思います」と期待しています。

従業員2名とスマート農機の力で規模拡大に対応。離農が進む中山間地の農地維持に取り組む野原守さん

プレッシャーがなくなり、楽な気持ちで作業できる

「アグリロボ田植機のおかげで、今年の田植えは気が楽でした」と語るのは、従業員の佐藤武志さん。就農して6年、通常の田植機、GS田植機、そしてアグリロボ田植機へと使う田植機が変化したことで作業はどう変わったかをお聞きしたところ「最初に使用した普通の田植機では、まっすぐ植えるのが難しかったです。GS田植機でだいぶ慣れてきましたが、アグリロボになり、ロボが高精度にまっすぐ植えてくれるので、さらに楽に。欠株も減り、補植することもなくなりました。ずっと気を張って作業していましたが、ロボに任せられるので気持ちの負担もかなり減りました。苗の確認や周りを見る余裕もでてきています」と語ってくださいました。菅野孝平さんは「GS田植機になった時も、植付けがきれいで効率が良いと感じましたが、ロボはロスが少ないだけでなく、乗ってる人間がすごく楽になったと感じます。以前は、曲がったらどうしようというプレッシャーがありましたが、今は、楽な気持ちで作業しています」とのこと。
有人自動運転のアグリロボコンバインでの収穫作業を控えて「ほ場の状態、作物の状態も様々。倒伏箇所もありますが、アグリロボコンバインがどう収穫してくれるか楽しみです」と語る菅原さん。佐藤さんは「収穫作業は中割りが難しい。ほ場それぞれで入るところが全然変わるので、この辺りと見当をつけても全然違うことがあります。それもロボがやってくれるので、気持ちも体もとても楽になると思います」と語ります。
改めて、野原さんにアグリロボ導入の効果や期待について伺ったところ「うちに来るまで農業未経験だった従業員が、熟練者と同等の能率や精度で作業ができる。これはアグリロボがなかったらできないこと。今後も面積の増加が見込まれるが、この体制でまだまだ対応していけると思います」とアグリロボに期待を寄せていました。

有人仕様のアグリロボ田植機に続いて、有人仕様のアグリロボコンバインを導入。従業員の菅野孝平様、佐藤武志様がより多くの作業を担えるように

< 標準仕様> GS機能の活用で作業能率が向上し、 “乗り疲れ”も軽減しました

基本性能に加え、GS機能の活用にも期待

夕張郡長沼町の川南尚悟さんは、個人経営で米7. 5ha、麦6. 2ha、大豆6.6ha、合わせて約20haを栽培しています。川南さんがDRH1200の導入を考えた最初の理由は、基本性能への期待。「近隣で何軒かWRH1200(従来機)を使っていますが、大豆の収穫時に全然粒が汚れないと聞いていて、いいなと思っていたんです」。検討している際、「DRH1200からGS機能が標準装備になったんです」とお聞きして、さらに活用への期待が高まったそうです。
DRH1200での麦収穫作業の実感をお聞きしたところ「普段だと眼と肩に疲労が来るんですが、このコンバインはとても疲れにくい。視界性が良くて、シートに座った時点で刈取部が良く見える。これまでは刈取部が見えにくいため、泥や異物が入らないように前のめりで運転をしていましたが、いまは作業がかなり楽になりました」とまずは視界性を高く評価。続いてGS機能についてお聞きしたところ「GS機能のおかげで、まっすぐ作業することに集中しなくても良い。補助者の動き方等、周りの状況もよく見えるようになり、“乗り疲れ”が少なくなりました」とのこと。GS機能の活用による作業精度や能率アップについては「A-B点モードをよく使うのですが、設定が簡単。途中で方向を微調整した後もそのまままっすぐ作業してくれます。うちのほ場は長いところで300m弱ありますが、精度的にも全然問題ないです。中割りして途中から入る時も便利。こんなに楽になると思いませんでした」と伝えてくださいました。

メンテナンス性も高く評価する川南尚悟さん。「グレンタンクも簡単に開き、1、2番の底もワンタッチで開けられる。作業後の掃除もすごくやりやすいです」

GS機能で疲労軽減。適期作業の実現で等級アップへ

作業が楽になることだけでなく、作業を終えた後の疲労感の軽減も実感。「収穫作業は何日にもわたるので疲労が重なります。いつもは入浴後に湿布を貼っていましたが、GSのおかげか、今年は湿布いらずでした。体が疲れないというのもGSのおかげかもしれませんね」。と話します。
GS機能の他、「ワンタッチ倒伏制御」も便利な機能だと語る川南さん。「今年は施肥量が多く結構倒伏してしまいましたが、ボタンひとつで倒伏した麦もスムーズに刈ってくれるので、すごく便利でした」とのこと。
「近年は温暖化の影響で、いつ天候が急変してゲリラ雷雨が来るかわからない状況。収穫時に雨が降るのは一番よくないので、できるだけスピーディーに、適期に作業ができる機械を求めていた」という川南様。今回DRH1200の刈幅を3.2mにしたのも、刈幅をワイドにして少しでも作業時間の短縮につなげたいという思いもあったそうです。「DRH1200のGS機能も活用しながら能率よく、できるだけ適期に作業し、等級が下がらないようにしたいと考えています。この秋の収穫作業での活躍も楽しみです」と、今後の活用についても語ってくださいました。

操作性も良く、GS機能の設定も簡単だという川南様「いまは私が作業していますが、オペレータ経験がある妻も、乗ればすぐに精度よく作業できるはず。今後、任せることもあると思います」とのこと

専属のサービススタッフがアグリロボの運用をサポート

北海道クボタ当別営業所の岩渕健太所長は、無人仕様のアグリロボコンバインDRH1200A-Aを導入した三浦様を担当。岩渕所長は「アグリロボコンバインをはじめとするスマート農機はサポート体制が重要」だと語ります。当別営業所では、試運転の指導や、ほ場のマッピング、キャリブレーション等を担当する専属のサービススタッフを育成して、トラブルシューティングにも対応できる体制を確立。「専属のスタッフが現場で設定したり、電話で対応したり。そうすることで、セールススタッフも自信を持ってアグリロボ等スマート農機の提案活動に臨めますし、実演にも対応できる。お客様からも、さらに頼っていただける存在になれます」とその理由を説明してくださいました。
実演の要望には、可能な限り最上位機種で応えたいという岩渕所長。「PRも兼ねて、高スペックの機械で実演し、クボタの機械が進化した姿をご覧いただく。これがあれば課題の解決につながるということを実感していただきたいと思います。まず、お客様に体感してもらうことがアグリロボの実力を知っていただくために肝心です」と今後の推進活動への意欲も語ってくださいました。

三浦さんの課題の解決へ、岩渕所長はアグリロボコンバインDRH1200A-Aの活用方法も含めた提案活動を実施

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