インプルメント装着方式の基礎知識(トラクタ) お気に入りに追加
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こんな方におすすめ!

インプルメントを購入したいけれど、どの装着方式のタイプを購入すればよいかわからない!
オートヒッチにはたくさん種類があるけれど、違いが知りたい!

目次

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インプルメント(作業機)の装着方式

リンクとヒッチ

トラクタは基本的にインプルメントを装着して、様々な作業を行います。
トラクタにインプルメントを取り付けるための機構のうち、トラクタ側を「リンク機構」、インプルメントを取り付ける装置を「オートヒッチ」と呼びます。
これらは、トラクタやインプルメントの種類や馬力、製造メーカによって、装着可能な組み合わせが異なります。

2点リンクと3点リンク

トラクタ側のリンク機構は、大まかに「2点リンク」と「3点リンク」に分類されます。

2点リンク

主に20馬力未満の小型トラクタ(一部シリーズ除く)で採用されています。
リフトロッドと2点ヒッチで直接インプルメントを装着するシンプルな機構です。
ワンタッチでインプルメントの付け替えができる「2Pフレーム」がオプションで採用されています。(※3点リンクのオートヒッチフレームとは異なります。)

3点リンク

主に20馬力以上の小型トラクタ(一部シリーズ除く)、中型トラクタ、大型トラクタで採用されており、主流の装着方式になります。
左右のロアーリンクとトップリンクの3点でインプルメントを接続します。

標準3点リンクと特殊3点リンク

リンク機構のうち、3点リンク方式はさらに「標準3点リンク」と「特殊3点リンク」の2種類に分けられます。
どちらもロアーリンクリフトロッドは共通ですが、トップリンクの形状が異なります。

標準3点リンク

標準3点リンクは「日本工業規格(JIS)」で規格が定められています。主に中型トラクタの高馬力クラスや、大型トラクタで採用されており、海外のインプルメントでも装着可能です
トップリンクが長く、作業機を平行に持ち上げることができます。

特殊3点リンク

特殊3点リンクは日本独自で採用されている規格です。クボタでは小型トラクタ(一部シリーズ除く)、中型トラクタなどで採用されており、クボタ純正ロータリも特殊3点リンクに対応しています。
トップリンクサポートがあり、トップリンクが短いことが特長です。
インプルメントを高く持ち上げることができるため旋回時あぜにぶつけにくい、持ち上げたインプルメントとトラクタの距離が近くなるため重量バランスが良いなどのメリットがあります。

オートヒッチとは

オートヒッチとは、オートヒッチフレーム(カプラ)を取り付けることにより、トラクタとインプルメントをワンタッチで繋ぐ装着方法です。
トラクタにインプルメントを装着するには、「トップリンク」「ロアーリンク(左右)」「PTO軸(ユニバーサルジョイント)」を繋ぐ必要がありますが、オートヒッチフレームを使用することで、これらの作業をワンタッチで行うことができます*。
ロータリやハローなど、一台のトラクタで様々なインプルメントを付け替える際にオートヒッチフレームを利用すると、装着の手間が省けて便利です。

*それぞれを手動で繋ぐことを「直装(ちょくそう)」と呼びます。

オートヒッチの種類

オートヒッチには、標準オートヒッチ2種類、特殊オートヒッチ3種類、全部で5つの種類があります。それぞれの特長は以下の通りです。

標準オートヒッチ

標準オートヒッチには「Sヒッチ(日農工0・Ⅰ形兼用)」と「Lヒッチ(日農工Ⅰ・Ⅱ形兼用)」の2種類があります。
主にインプルメントメーカのインプルメントを装着する際に使用します。
特殊オートヒッチに比べて、フレームとジョイントの強度が高いという特長があります。

※特殊オートヒッチと標準オートヒッチに互換性はありません。
※インプルメントメーカによっては、特殊オートヒッチに対応したインプルメントも多数用意されています。

Sヒッチ(日農工0・Ⅰ形兼用)

クボタでは、主に中型トラクタで使用できます。
Lヒッチに比べて全体的に小型で、カプラの種類も異なります。

※トラクタを純正ロータリとセットで購入された場合は、特殊オートヒッチが装着されていますのでご注意ください。
※メーカによって、オートヒッチフレームの形状や色が異なることがあります。(寸法は共通)

Lヒッチ(日農工Ⅰ・Ⅱ形兼用)

クボタでは、主に大型トラクタで使用できます。大きくて頑丈という特長があります。

※メーカによって、オートヒッチフレームの形状や色が異なることがあります。(寸法は共通)

特殊オートヒッチ

特殊オートヒッチには「日農工 A-Ⅰ形」、「日農工 A-Ⅱ形」、「日農工 B形」の3種類があり、「トップリンクからロアーピンまでの距離」、「左右のロアーリンクピンの幅」、「3点から入力軸の距離」が異なります。
各形式に互換性はありませんので、譲渡などでオートヒッチ付きのインプルメントを入手するときは注意しましょう。

日農工 A-Ⅰ形

トップリンクとロアーリンクピンまでの距離(A) 340mm
左右のロアーリンクピンの幅(B) 465mm
3点から入力軸の距離(C) 100mm

※クボタでは一部の小型トラクタで使用。

日農工 A-Ⅱ形

トップリンクとロアーリンクピンまでの距離(A) 340mm
左右のロアーリンクピンの幅(B) 465mm
3点から入力軸の距離(C) 50mm

※クボタでは基本的に使用しません。

日農工 B形

トップリンクとロアーリンクピンまでの距離(A) 340mm
左右のロアーリンクピンの幅(B) 565mm
3点から入力軸の距離(C) 100mm

※クボタでは中型トラクタで使用。
※クボタの中型トラクタでも、異なるシリーズ同士で互換性はありません。
(例:STシリーズとSLシリーズでオートヒッチフレームの共用は不可。)

W3Pオートヒッチ

クボタ独自で採用しているオートヒッチです。
フックが二つあるのが特長で、標準オートヒッチ(Sヒッチ)と特殊オートヒッチ(B形)どちらも一つのオートヒッチフレームで装着することができます。

※標準オートヒッチと特殊オートヒッチを付け替えるときは、装着時に調整が必要です。
※クボタではKLシリーズ以降の中型トラクタで使用。

まとめ

・トラクタのインプルメント装着方式には、2点リンク3点リンクがあり、3点リンクはさらに標準3点リンク特殊3点リンクに分けられる。
・トラクタとインプルメントをワンタッチで繋ぐ装着方法をオートヒッチという。
・標準3点リンクのオートヒッチには小型のSヒッチと大型のLヒッチがある。
・特殊3点リンクのオートヒッチにはA-1形A-1形B形の3種類があるが、それぞれに互換性はない。
・クボタ独自のオートヒッチとしてW3Pがあり、SヒッチとB形ヒッチの両方が一つのオートヒッチフレームで装着できる。

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