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新製品レクシア開発チームインタビュー
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情報誌「ふれあい」No.32

【情報誌ふれあい32号】徹底した「現場主義」で開発に挑む

【情報誌ふれあい32号】徹底した「現場主義」で開発に挑む

 農業機械にとって心臓部ともいえるエンジン。クボタでは、トラクタ本体とエンジンを共に自社で開発・生産することで、より使いやすいトラクタの実現を目指しています。今回は、大規模耕地に適したトラクタの新製品レクシアの開発に携わったエンジン設計担当の岩永渉さん、トラクタ研究担当の武岡達さん、設計担当の西久保拓也さんに、本体とエンジンの開発プロセスやモノづくりにかける想いを伺いました。
(この記事は、平成27年9月発行のクボタふれあいクラブ情報誌「ふれあい」32号を元に構成しています。クボタふれあいクラブについては、お近くのクボタのお店までお問い合わせください。)

 


 

トラクタ本体とエンジンの自社開発が農業機械の高性能化を可能に

 まずは、エンジンとトラクタ本体を自社開発するメリットを教えていただきました。一つ目は、開発段階で何度も調整を重ねることができる点です。「レクシアトラクタには、自動変速などの機能を採用しています。これらの制御機能を開発するにあたって、トラクタとエンジンのマッチングがとても重要で、エンジン部門と一体となって開発しました」とトラクタの研究を担当する武岡さん。「実地テストを行って出てきた課題を一つひとつ調整し、トラクタとのマッチングを向上させました」と岩永さん。

 二つ目は、農作業の作業性を考えて本体とエンジンの一体設計ができる点です。「例えば、トラクタのボンネットは高すぎたり幅が大きすぎたりすると、農作業時の視界を狭める場合も。エンジンを自社で開発しているので、理想のボンネット形状に収まるように部品の配置を最適化でき、より農作業に適したトラクタが設計できるようになります」と武岡さん。エンジンの設計を担当した岩永さんは、「レクシアのエンジンは、国内特自3次排ガス規制に対応するために、黒煙除去フィルタなどの新たな機構を採用しており、新機能追加のため、エンジンがどうしても大きくなってしまいます。トラクタ技術部と連携して部品形状や配置の調整を繰り返しました」と話します。

 また、メンテナンス性に関しても、「機械が不調な場合、エンジン・トラクタ本体ともに、クボタへの問い合わせですむので、スムーズな対応が可能です」と岩永さん。「安心して使っていただける信頼性の高い機械の開発という意味でも、メンテナンスという意味でも、自社開発だからこその良さがあると思います」と熱心に語ってくれました。

「使いやすく、信頼性の高い機械を」
現場で何度もテストを実施

 トラクタ本体の設計を担当する西久保さんは、「製品開発で大切なのは、現場での使いやすさをできる限り向上させること」と話します。「そのために開発の段階で、必ず試作機を現地圃場に持ちこみます。圃場で実際に動かし、さらなる改善につなげるのです」

 さらに、トラクタの信頼性を高めるために、クボタでは耐久性や走行振動などの性能試験を実施。「あらゆる可能性を想定して、厳しい評価基準に沿った極限試験を何度も実施しています。必要があれば試験項目の見直しも行い、つねに気を配っています」と西久保さんは語ります。

最後に、開発した製品への想いを教えていただきました。武岡さんは、「クボタでは、お客さまに感動を与える製品を作りたいという思いで開発にあたっています。このレクシアシリーズは、農作業に携わるお客さまと同じ目線に立ち、現場での実施テストを通じて、お客さまに快適に、効率よく使っていただけるトラクタとして開発しました」とのこと。岩永さんも西久保さんも「自信が持てる製品です。安心・満足して使ってほしい」と熱く語ります。開発に関わる3人の担当業務はそれぞれですが、その根底には「お客さまのために」という強い想いが貫かれています。

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レクシア(60馬力/65馬力/70馬力)の製品ページはこちら https://agriculture.kubota.co.jp/product/tractor/rexia60/
(レクシアホームページにリンクします)

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