ターミナルモニタ・自動運転用機能・装備
自動運転の設定はターミナルモニタで。
ターミナルモニタ(7インチモニタ)

従来機からデザインを一新。スマートフォン、タブレットと同様の操作感の静電式タッチパネルで快適な操作が可能です。
1自動モードスイッチ
「手動モード」と「自動モード」の切替えスイッチです。
2自動運転開始スイッチ
長押しすることで、「有人モード」による自動運転を開始します。
3排出移動スイッチ
スイッチを押すことで、任意のタイミングで排出点・排出辺に移動します。再度スイッチを押すと排出移動をキャンセルします。
4自動運転モードアイコン
「有人モード」と「無人モード」から選択した自動運転モードの状態を表示します。
5ほ場状態アイコン
ほ場状態の設定状況を表示します。ほ場状態は「普通」、「軟」、「硬」の3種類です。ほ場が軟らかく左右にふらつく場合は「軟」、ほ場が硬くリトライが多く発生する場合は「硬」を設定します。
6障害物検知アイコン
障害物の検知条項を表示するアイコン。障害物を検知するとアイコンの色が変化。アイコンをタップすると、どのセンサが検知しているか確認できます。
7GNSS測位レベルアイコン
GNSSの測位レベルを表示するアイコン。測位状態によってアイコンの色と形状が変化します。
従来機より自動運転時の旋回&後進車速がアップ

旋回や後進など刈取時以外の車速をアップ。非作業速度の向上により、作業能率のさらなる向上が期待できます。無人運転モードでは刈取り中の作業速度の初期設定も可能です。
設定項目 | m/s(カッコ内は初期値) |
---|---|
作業速度〔無人モードのみ〕 | 0.3~2.0 (1.0) |
旋回速度 | 1.0, 1.5 (1.5) |
移動速度 | 1.0,1.5,2.0 (2.0) |
後進速度 | 1.0,1.5 (1.5) |
※各設定の変更はターミナルモニタ上で変更可能です。
GS機能について
アグリロボコンバインDRH1200Aは、無人仕様、有人仕様ともに自動運転機能の他にGS機能(GSモード)も使用可能です。GS機能の詳細はP21をご覧ください。
GNSSユニット

GNSS衛星と固定基地局や電子基準点からの補正情報で機体の位置情報を取得。数センチ単位の高精度測位を実現します。
自動運転を支える先進の技術。


1レーザセンサ(前方)

あぜ高さ、作物高さ(稲・麦)を検知作物列(大豆)を検知
2ミリ波レーダ(前方・後方)

車両を検知
3カメラ(前後左右)


カメラ画像により人を検知
4積層灯(前方・後方)

外部から機体の状態を確認できます。自動運転中は青色異常発生時は桃色に点灯します。
5刈取逆転モータ
自動運転中に刈取部の詰まりを検知した場合、自動で刈取部逆転を行います。
誰でも「匠刈り」ができる自動運転機能
無人仕様 / 有人仕様2周目からの自動運転

ほ場の最外周を手動で刈取り後は、最短2周目からの自動運転が可能です。
無人仕様リモコンによる機体操作

無人仕様では、リモコンで自動運転の遠隔操作を行います。通信範囲は約250m。自動運転の「開始」「終了」「一時停止」「加減速」「排出移動」「排出時のあぜ寄せ」操作に使用します。
※通信範囲からの逸脱や電池切れ等で通信が3秒間途切れた場合、自動運転が停止します。
※受信距離は環境によって変化する場合があります。
無人仕様自動刈取逆転装置
自動運転作業中に刈取部での詰まりを検知すると刈取部逆転機構が作動し、自動で詰まりを除去します。
※自動刈取逆転装置で取り除けない詰まりは手動操作で除去する必要があります。

無人仕様ではサイドパネルに「刈取逆転スイッチ」が搭載されており、キャビン内から手動操作で刈取部を逆転させることができます。
作動の流れ
①詰まり検知
②停止、刈取り・脱こくOFF
③刈取部上昇、後進
④刈取部逆転3回
⑤刈取部下降、刈取・脱こくON
⑥-a前進(自動運転継続)※1(詰まり解除)
⑥-b自動運転停止※2(詰まり解除不可)
※1:約3m倒伏モードで前進。吐き出した作物を回収するため。
※2:積層灯「桃色」点灯時は手動操作で刈取部の詰まり除去を行う必要があります。
熟練度を要する作業も自動化
無人仕様倒伏適応

レーザセンサで前方の作物高さを認識して、作物の高さに応じた刈取部、リール、車速の制御を自動で行います。
※倒伏角度60°までの稲麦に対応。
自動運転での大豆刈取り
無人仕様 / 有人仕様大豆用のほ場マップ作成モード
大豆専用のマップ作成モードを新設。条間を考慮して刈取作業を行う必要のある大豆の刈取りでの自動運転が可能になりました。
※RTKオートステアで等間隔に播種されたほ場に限ります。また、設定可能な条間隔は2.1mヘッダ:65,70,75cm、2.6mヘッダ:65cm,66cm,70cm、3.2mヘッダ:66cmです。
無人仕様自動シフト機能による大豆列の自動検出
無人仕様の有人自動運転モードでは自動運転中にレーザーセンサで作物列を検出。作物列に対してズレが発生した場合、自動で左右にシフトして対応します。
※レーザセンサによる大豆列の検出は無人仕様(DRH1200A-A)の有人自動運転モードのみです。
自動運転中の周囲監視をサポートする機能
無人仕様自動運転中の人と車両の検知
周辺監視機能で自動運転中は人と車両を検知し、緊急時には自動運転を停止(走行・刈取・脱こくを停止)します。
ほ場内の人の検知 カメラ4箇所(前後左右)

コンバイン周辺に人を検知すると、ブザーを吹鳴します。(自動運転は継続)
接触の可能性があると自動運転を停止します。
※カメラの検知範囲はシーンによって判定距離が変化します。
※カメラについて、人は検知しますが、鳥等の動物は検知しないようプログラムされております。また、人や障害物の検知について、自動運転作業を通じて検知精度を向上していくような「学習機能」は有しておりません。
ほ場内の車両の検知 ミリ波レーダ2箇所(前後)

コンバインの前後に車両を検知すると、自動運転を停止します。
※前方は刈取中のみ検知します。
※ミリ波レーダの検知範囲はシーンによって判定距離が変化します。
キャビン内各所の自動運転用装備
ボイスアラーム

自動運転開始時や旋回、バックの前に音声でお知らせします。
グリップ

有人自動運転時にオペレータが姿勢を保持するために使用します。
ドアスイッチ

ドアの「開」「閉」を確認するセンサ。安全確保のためドアを開けると自動運転が解除されます。
運転席内緊急停止スイッチ

緊急時にエンジンを停止させるスイッチです。
バックモニタ

自動運転中、常に機体後方を表示します。
シートベルト

有人自動運転中の安全を確保するためのベルト。シートベルトを外すと自動運転が解除されます。
アンローダ先端カメラ

カメラの画像はバックモニタに表示。運転席に座ったままでモミの排出位置や排出状況を確認できます。
自動運転ブザー

自動運転の開始や停止・各センサの検知等は、本機のブザーではなく、自動運転用のブザーが鳴ってお知らせします。
自動運転機能を使用できる条件
対象作物

※稲、麦は倒伏角度60°以下
ほ場形状

※L字や、コの字のほ場であっても区画形状を四角形にしてマップ作成を行えば、自動運転は可能です。
ほ場の状態

ほ場面積

(*1)ほ場形状によっては自動運転が使用できない場合があります
(*2)あぜマップや自動リール機能を使用する場合は2ha以下
ほ場傾斜

GNSS測位環境

(GNSSの測位状態が「RTK_fix」であること)
リモコン(無人仕様)

ほ場全体がリモコンの通信範囲内(約250m)であること

1枚のほ場でアグリロボコンバイン(標準のコンバインや他の農機含む)の複数台同時運転禁止

ほ場へのもみ車の進入禁止。刈取済のエリアは、アグリロボコンバインが排出移動や旋回スペースとして利用する可能性があるため
自動運転、直進キープ、らく直キープを安全に使っていただくために
⚫︎ 自動運転、直進キープ、らく直キープは、運転者が責任をもって前方及び周囲を監視し、安全確認を行うことを前提に、ほ場内での作業を支援する機能であり、運転者に代わって本製品が安全な自動運転を行うものではありません。
⚫︎ 条件(ほ場条件、作物条件、天候、電波状態等)によっては、自動運転、直進キープ、らく直キープが正常に作動しない場合もあります。
⚫︎ 自動運転、直進キープ、らく直キープは、前方不注意・後方不注意による危険を回避する機能ではありません。
⚫︎ 自動運転、直進キープ、らく直キープは、操作方法や重要な注意事項などが記載されていますので、ご使用前に必ず取扱説明書と機械に貼付されている安全ラベルをお読みください。
DRH1200A-A(無人仕様)を安全に使っていただくために
使用上の注意点
⚫︎ 無人仕様は「農水省 農業機械の安全性確保の自動化レベル2」に該当し、農林水産省および日本農業機械工業会が策定した各ガイドライン(※)の対象となります。
⚫︎ 安全性確保の為、各ガイドラインに基づき、自動化レベル2に準じた教育・運用体系を導入しております。
使用する方の条件
⚫︎ 無人仕様を使用する方は、使用者訓練を受講・修了頂く必要があります。なお、使用者訓練の内容は、学科と実技があります。 ※受講者には修了証が発行されます。
使用環境の条件(一部抜粋)
⚫︎ 無人での作業時は、必ず目視での監視を行ってください。また、危険を感じた場合は直ちに自動走行を停止させてください。
⚫︎ 監視が困難な気象環境(豪雨・積雪・降雪・濃霧)時は自動走行させないでください。
⚫︎ 傾斜地、強湿田では使用しないでください。
⚫︎ GNSS信号が安定的に受信できる環境で使用してください。
※ガイドラインについて
【農林水産省】
(全般)
⚫︎ 農業機械の自動走行に関する安全性確保ガイドライン
【一般社団法人日本農業機械工業会】
(使用者の訓練等に関するもの)
⚫︎ ロボット農機の安全性確保のための指導者養成並びに使用者訓練ガイドライン
⚫︎ 衛星測位システムを利用したロボット農機の訓練カリキュラムの具体的内容
⚫︎ ロボット農機の使用者訓練の記録・管理に関するガイドライン
(警告看板等に関するもの)
⚫︎ ロボット農機の安全性確保のための警告看板等の作成・設置に関するガイドライン
(安全(装置)に関するもの)
⚫︎ ロボット農機の視覚的装置及び聴覚的装置のガイドライン