乾燥調製システムと対応色彩選別機で 徹底したロット管理が可能に
三重県 M様
ロット管理を目指し、
KSAS乾燥調製システムで、色彩選別機をつなぐ!
一人でも、刈取り~乾燥調製ができるように!
M様は、7年前まで会社勤めをしていたが跡を継いで、合同会社を設立した。
設立当時は80a、枚数も5~6枚だったが、年々受託が増え現在は水稲・麦・大豆で20ha、作業受託は4ha。枚数は約180枚にもなっている。来年はさらに増える予定だ。
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2018年にKSAS対応のER470を購入。乾燥機は35石1台、27石2台、18石2台が稼動している。地区外からの受託が増え、圃場間違いによる作業ミスを防ぐために、電子地図で圃場が管理できるKSASを導入したが、当時はまだKSAS対応機は所有していなかった。それでも手書きの日誌からPCへのデータベース化ができたことで、地図や受託依頼書などの紙資料を紛失したり、圃場で雨に打たれ読めなくなることもなくなった。また簡単に作業を振り返ることもできるようになった。
KSASを使う内に、圃場ごとのデータを取りたいと考えるようになり、収量・水分値・食味値が測定できるER470を購入。これまではトータルの収量を圃場枚数で割っておおよその目安としていたが、実際に圃場ごとに収量を測定してみると「こんなに収量が少ない田んぼもあったんだとショックを受けました」とM様。単に施肥量を変えるだけではダメだと思うようになり、土壌改良材や土づくりのための作業機導入など、土づくりから見直すことにした。今ではER470のデータで食味を確認して、出来の良い圃場のコメを『食味コンクール』にも応募している。
小規模からスタートしたM農園は、まず機械を導入、施設を新設するなど設備投資をして、一人でもやれる効率作業を目指した。その基幹ソフトとしてKSASを導入し、ER470購入と同時にKSAS乾燥調製システムも導入した。しかし対応する乾燥機が1台だけなので、今回は色彩選別機のみをKSAS乾燥調製システムでつなげた。


ロット管理は製造業では常識だ!
「どの製造業でもロットナンバーで製品を管理しているのに、農業は全くできていない。作ったものに対する責任がある。農業とはいえ製造業であれば、あって当たり前だ」と、30kg紙袋ごとにロット管理をしている。

特定の製品の購入者から、それが不良品であったというクレームがきた場合、そのロット番号を検索すると、同様の方法あるいは同じ時期に製造された製品の特定ができ、早急な回収も可能となる。
M農園でも当初はクレーム対応が目的であったが、今では乾燥日時、乾燥機ナンバー以外に、色彩選別機情報、さらには圃場での作業記録などもわかるようにしている。「ロット管理を導入すれば販売でも差別化できる。色選がつながってわかったのは、ロットごとの選別結果。ちゃんと選別できているという『お米の成績表』をお客さまに提示できたら、買う時の判断材料になると考えています」とM様。KSAS乾燥調製システムから得た情報をお客さまに開示することで信頼を獲得し、顧客拡大、売上拡大を狙う。
また色彩選別機情報の活用として、カメムシの被害状況を圃場ごとに検討し、翌年の防除に活用しようとしている。量や回数、時期に加え、薬の変更なども含め再検討する。
KSASは使う者が使いやすいように利用すればよい!
「KSASの利用料が月2000円で、あそこまできるの!?」とM様は驚きを隠さない。「今回は色彩選別機に親機と子機を付けてつないだ。接続機器代はかかったが、今後、乾燥機をつなげる時に子機を追加するだけだから初期投資としてはいいのでは」
80aでスタートしたM農園にとって、受託の増加に対応するための設備投資は大きな課題であった。しかし一通り機械も揃え、施設を新築したことで「次は人材育成が課題だ」と考えるようになった。経営者にとって「もし自分が倒れたら」という不安は共通の悩みだ。M様も「自分が元気な内に人を採用したい。その時にKSASで取ったデータは必ず活きるし、活かせるように使わないといけない」と組織拡大も視野に入れてKSASを基幹営農ソフトとして位置付けている。
KSAS乾燥調製システムを入れた当初は「入力の手間がちょっと増えた(笑)」とM様。しかし「システムを使うと履歴が完全にデータ化される。いずれコメにもトレーサビリティが求められる時が来る」
農業経営者にとって「利益の追求 + 安心・安全なコメ生産+人材育成」には、圃場と紐づけた栽培履歴、作業履歴、乾燥調製履歴、出荷記録(結果記録)などの蓄積と、その活用が大きなポイントとなることは間違いない。
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