刈取りから乾燥調製までのデータが 「現場の人間がその場で判断する」を可能に
茨城県 Y様
システム導入で少数精鋭!
効率的な刈取り~乾燥調製を行なう!
まず対応コンバインを導入、次にKSAS乾燥調製システムを。
150haの圃場で年間700トンのコメ生産をするY農場。1台のコンバイン、6台の乾燥機が稼働している。
Y農場では『収量UP』が最大の経営課題だ。そのためKSAS対応コンバインを導入して、圃場ごとの収量を確認、翌年の作付計画や施肥計画、品種の選定から始めた。その後、KSAS乾燥調製システムを導入し、乾燥調製の管理もシステムで行なうようになった。
ネットなどで販売した一般家庭から「昨年は美味しかったけど、今年は不味い」と言われないよう毎年均質なお米を作ることが重要になる。一方、もち米などの加工業者、精米卸業者、飲食店には「品質プラス価格が変わらない」ことも重要だ。そうなると、安定した品質のものを、安定した収量で獲らなければならない。そのためにY農場ではロットごとのデータ管理を徹底して行ない、そのデータを活用している。
フレコン用無線タグ
また、Y農場では少数精鋭主義を貫いている。どの担い手も抱える悩みだが、Y農場では生産コストに占める人件費の割合を抑えるため、最新の機械とシステムを導入している。
それについてY様は「世の中には管理する人が指示を出してチェックするシステムがあるが、僕は無意味だと思っています。作物は生きている。天候にも左右される。現場の人間がその場で判断しなければならないことが多いので、KSASに上がるデータを見て即判断できる人材育成が重要だ。ウチでも最初は作業記録の入力に手間取っていたが、慣れてくると各自が日々の作業にデータを使い始めるようになる。僕が指示するのではなく各自が判断する。KSASはY農場の少数精鋭を間違いなく支えていると思いますよ」
2019年、コンテナ自動読取機を導入
KSAS対応コンバインは、刈りながら収量・食味値・水分値が測ることができる。この数値をこれまではコンバインのオペレータがKSASモバイルで、コンテナナンバーを選択していた。しかし、手入力のため打ち間違いや、入力忘れなどの操作ミスが発生することもあった。
そこで2019年に開発された『コンテナ自動読取機』を導入。無線タグをコンテナの四隅に取付けて、コンバインのアンローダ先端についた『コンテナ自動読取機』でコンテナナンバーを自動で読取れるようにした。オペレータによるモバイルでの選択が不要になり、コンテナ単位の収量・食味値・水分値のデータがKSASサーバに自動送信されるようになった。
このコンテナ自動読取機についてY様は「データが間違っていたり、何だか怪しいとなると、一気にシステム全体の信頼度が下がる。それがタグによって自動的に確実・正確なデータが読み取れるとなると、安心してデータを活用することができる」
また、色彩選別機や籾摺機、出荷計量機が集まる調製機器の中にもタブレットが設置されており、乾燥調製作業の記録を簡単にしている。
作業者全員が、刈取り~乾燥調製の状態が見えることで、少数でも効率的で間違いのない作業が行なえる。
アンローダ先端に取付けられたコンテナ自動読取機
乾燥機の前に設置された大型タッチパネル
食育活動を展開する!
Y農場では、幼稚園児や小学生を対象にした田植えや稲刈り授業を開催している。Y農場の地域における存在意義や、認知度向上によるパート等の労働力の確保、そして遠い将来の採用活動にもつながるのではないかと始めた活動だが、子供たちが泥だらけになりながら田植えや稲刈りに喜ぶ姿を見て、やめられなくなったとY様。
参加した子供たちに「ここでは年間700万トンのお米を生産しています。これは12000人が1年間に食べるお米だよ」と必ず説明する。「お米は主食、そんなことを言える農産物はお米だけだ。安心・安全なお米を安定的に生産することはY農場の大きな使命だ」とY様は授業を通して考えるようになった。
稲刈り授業では、10aを100人がかりで行なうが「これだけ働いて、たった10人しか食べられないお米だよ」と説明すると「昔の人は大変だったんだ」と子供たちは体験を持って食の重要性を考えるようになる。後日、先生から「こういう経験をすると次の日から給食の残しがなくなる。またお願いします」と翌年も依頼されるようになり、田植え・刈取り授業はY農場総出の活動として今も続いている。
幼稚園児から贈られた壁新聞
※取材当時の内容をそのまま掲載しているため、現在のKSASとは異なる点もございます。ご了承ください。