KSASの実戦で日本農業賞受賞 新人の育成がすぐにできる

三重県 K様

課題

・紙ベースの圃場地図だと新人が作業場所を間違えてしまう
・将来就農するときに2,000枚の圃場を覚えられるか不安

成果

・スマホでオペレータが作業場所を確認できるので新人でも間違えずに作業できる
・スマホやパソコンに慣れているので、KSASで知らない田んぼもすぐわかり不安が軽減した

【三重県発信】KSASの活用で日本農業賞 大賞を受賞

最先端技術(ICT)を活用した営農
KSASの実践で日本農業賞、大賞受賞!

意欲的に経営や技術の改革と発展に取組み、地域社会の発展に貢献している農業者に送られる日本農業賞。個別経営の部で「大賞」を受賞された。それはKSASによるICT農業の実践も評価されてのこと。どのような実践方法を取られたのか、どのような効果があったのかをレポート。

日本農業賞大賞 その受賞の理由は

社長:評価されたところは「最先端技術(ICT)を活用した経営も評価の一つ」といったところでしょうか。クボタさんのKSASを使ってIT化しみんなが情報を共有しています。その共有する情報は、作業する場所に間違いがないかとか、作業の進み具合とかいろんなことがありますが、とにかくKSASという最先端の技術を駆使していることも評価されたのではないかと思います。

先端技術に注目乗り遅れるな

社長:KSASを利用して最新の農業をする。若い子が定着してここで働いてもらうことを目的にKSASを導入しました。新しいことをやることによってみんなが意欲的になって農業に取り組めるんじゃないかなと。またこの先も自動運転化というようなこともあるので、先端技術には注目です。特に先日試乗した直進キープの田植機、これはすごいなと実感!これだけちょっとの間に進んだということは、これからもっともっと進んでいくんじゃないかなと。だから乗り遅れちゃうと大変なことになっちゃう。だったらすぐに取り入れようと思って。

これを持てば新人でもできる

部長:10年ぐらい前までは、(私が作業指示を出す以前は)うちのおふくろがやっていました。それまでは正確な圃場の地図なんかありませんでした。地図はうちのおふくろの頭の中にあって、それをそこら辺にある紙にフリーハンドで描いてここだよと教えてくれる。ベテランの何回も圃場に行ったことのある者たちは作業を進めていましたが、新しく来た者は地図を見ていても何が何だかわからない、ついていくだけという感じだったんです。その後私が、地図をパソコンで作るようにしました。そして必要な部分だけコピーして毎日オペレータに渡していました。でもそれはあくまでも紙ベース。去年からKSASを導入したおかげで、スマホで現場にもたどり着けるようになりました。また、そこの田んぼやって来いよと、作業指示を出すこともできる。入ったばっかりの者でも間違いなく現場にたどり着き、簡単な作業なら(例えば畦草刈り)、やって来いよと言えばほぼ間違いなく作業ができるようになりました。

間違いゼロ KSAS効果

部長:以前は作業をする圃場間違い、ありましたね。違う田んぼを耕したりとか。収穫の間違い、これが一番問題で、それが去年はゼロだった。KSAS導入の最大の効果だと思います。

3年が1年に コレもKSAS効果

部長:だいたい圃場を覚えるのに3年くらいはかかりますね。それが1年目で自分のスマホ(KSAS)を見ながら、この辺にあったよなっていけるんです。KSASの使い方さえ教えれば、現場にたどり着くことができる。その成果は大きいですね。社長の息子の例えですが、大学に行きながら手伝い出した時言っていましたね「俺どうしよう、こんなに田んぼあるの。覚えられない!」って。だけどその年KSASを導入したのでできた。

KSASがあれば2千枚は恐くない

オペレータ(OP):将来就農すると決めたあとに、いろいろ農業について話をした時に、田んぼの枚数が多いという話は聞いていました。だいたいどのくらいあるのと聞いたら、数え切れないくらいということで不安を覚えました(実際KSASで入力してみると約2000枚あるというのを聞いて、正直心配でした)。ただ私たち世代は、パソコンを操作したりタブレットやスマホを使うことに抵抗がないので、KSASの使い方さえ覚えてしまえば、普通に道案内のアプリと同じような感覚で使えました。今ではKSASマップさえ見れば、知らない田んぼでもほぼ間違いなく作業できます。この進歩は非常に大きいと思います。

日本農業賞とは

日本農業賞は、日本放送協会(NHK)、全国農業協同組合中央会(JA全中)、都道府県農業協同組合中央会が、昭和46年度に創設。
 「個別経営の部」ならびに「集団組織の部」は、日本農業の確立を目指して、意欲的に経営や技術の改善に取り組み、地域社会の発展にも貢献している農業者と営農集団や、食や農の担い手として先進的な取り組みをしている個人・集団組織を表彰しています。
第46回は、書類審査、現地調査を経た全国の事例の中から、最終審査で「個別経営の部」3件と「集団組織の部」3件が大賞に、「個別経営の部」1件と「集団組織の部」1件が特別賞、「個別経営の部」3件と「集団組織の部」3件が優秀賞に選ばれました。

覚えなくていい?でも覚えやすい!

OP:2000枚の田んぼを覚えるための年数が非常にもったいないなと思っていました。頭の中ですべて記憶するほどのものではないのかなと思っていました。また都度パソコンを見て確認すれば逆に覚えやすくなると思います。KSASの圃場マップだと、空から見た田んぼなので位置関係がはっきりします。この道のここだったんだとかいうのが理解しやすくて、田んぼも覚えやすいと思います。

助手の立場で効率化を図る

OP:例えば稲刈りの時、コンバインのオペレータの助手でついていきます。KSASだとそんな時にも、次はどこの田んぼに行くのかが分かるので、移動の効率を上げることができます。オペレータを待たせることがなく、つねにコンバインが動いている状態を作りやすくなったと思います。

手に取るように進捗が分かる

部長:収穫時うちの場合は4台のコンバインが動きます。4台ともKSASで作業指示を出します。一応各々のコンバインが行く場所を、朝のミーティングで説明はします。「スマホに指示がすべて入っているので、その順番にやって」といった感じで。そして各オペレータが現場で作業、スマホで入力。だから作業の進み具合が手に取るようにわかります。例えば時間が掛かりすぎて止まっている場合は、何かあったのかなと電話連絡します。これも重宝します。地元をやる時は、ここで私が乾燥機を見ながら指示を出しています。他の地域に行った時もノートパソコンでOK。どこに居てもリアルタイムにどれだけ進んでいるかが分かる。このように進捗が分かると、次の計画が立てやすい。先が読めると、次の組立てができる。ほんとに便利ですね。

「作業項目」は生育記録で!?

部長:作業したのは日誌というかたちで記録が残ってどんどん積み重なっていきます。過去に誰がやったか、どのタイミングでやったとか、また写真も残したりしてほんとに重宝しています。生育記録を残すため、乾田直播と移植の圃場を同じタイミングで写真を撮り、生育の比較検証に役立てています(活用3)。この生育差を元に反省会で、今年度の作業のやり方に反映させます。またこの写真は雨が降った時など、社員を集めての乾田直播の研修会で使っています。

朝礼で徹底!KSASで作業日誌

部長:今までやって無かったので恥ずかしいのですが、このKSASを入れた時から朝礼をやることにしました。なぜ朝礼をやるかというと、KSASを触ってほしかったから、スマホで現場で日誌をつけてもらいたかったからです。今までも紙ベースで日誌もちょろちょろとは書いていましたが、本格的にKSASで入力。圃場でやったことはKSASに入力をするように徹底しています。今ではガラケーしか持ったことのなかったベテランの従業員も、スマホに変えて、みんなに教えてもらいながらやっています。作業指示を確認するとか、日誌をつけたりするのは比較的易しいというか、そんなにハードルは高くないのかなと思っています。実際は現場ではちょっと休憩の時に入れたり、昼休みに入れたりしているようです。

KSASモニターを見ながらの朝礼

KSAS使えるJGAP認証取得

社長:JGAPですね。ハードルが高そうなので、一応2人は指導員の資格を取らせました。指導員の資格をとって気づいたのですが、KSAS触っていたら、あっJGAPの管理項目があるぞと。JGAPを実際に取得して記録を残していきたい場合、農薬のこととか記録がどんどん残っていくので便利だと思います。記録という面では非常に助かると思います。

食味収量コンバインで思い込みを払拭

社長:数年前から乾田直播をやっていますが、乾田直播の米は移植に比べ味が劣るという先入観がありました。ところがうちの移植圃場のデータ(タンパク値)と、乾田直播のデータを見比べると数字的にも乾田直播の方がいい数値がでました。だまって精米して食べたら、いつも通りおいしいとの意見も。やっぱりデータというのは大切ですね。さらに、そのお米を知り合いの卸のところに持っていって比較分析してもらうと、やっぱり同じような数値が出ました。まあとにかく、データを毎年毎年とっていって蓄積してやっていくことによって、いろんな見えてくるものがありますよね。

スタッフ・従業員:15名

食味収量コンバイン 実力を知った

部長:これからのコンバインの導入に際しては、やっぱりKSASの食味収量コンバインを導入していきたい。水分量が測れるのもいい。今までは麦刈りの時少しサンプルを取ってきて測って水分量を見ていました。でも乾燥機に入れた時の水分と違っています。食味収量コンバインだと少し刈って水分量が確認できるので、水分量の正確さが今までとは違います。タンパクも水分も収量も全部大事なのですが、タンパクにこだわりすぎると収量という面でも、そこら辺のバランスのいいところを狙っていけたら一番いいのかなと思います。

※取材当時の内容をそのまま掲載しているため、現在のKSASとは異なる点もございます。ご了承ください。

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