有機稲作をサポートする「ペレット肥料散布機付き除草機」
- 福井県農業試験場と(株)北陸近畿クボタが共同開発 -
有機水稲農家が抱えている最も大きな課題は雑草防除です。水稲の有機栽培では、除草や有機質肥料の散布に多くの労力を要します。軟弱な土壌でも安定走行ができる株式会社オーレック製「WEED MAN」と株式会社ジョーニシ製品「サンソワー」の施肥機をベースに、施肥と同時に除草ができる肥料散布機付き除草機を紹介します。この「ペレット肥料散布機付き除草機」により、除草時間の軽減と肥料の散布労力の軽減と均一散布が可能です。
地域ぐるみで環境負荷低減の取組を促進するモデル地区でもある福井県越前市。この地域で「コウノトリを呼び戻す農法(無農薬・無化学肥料)」に取り組む(農)弘法大師ファームみつまたでは、同農法の栽培面積を本機の導入により2022年の1haから2023年は7ha、2024年には12haへの拡大を計画し、有機稲作の収量の向上・安定化と所得の向上に向けた取組を展開中です。
作業効率の向上に役立つクボタの製品
ペレット肥料散布機付き除草機
営農事例
水稲・小豆等の有機JASに取り組む丹波たかみ農場(有機水田輪作)
丹波たかみ農場様の経営概況
兵庫県丹波市市島地域の「(株)丹波たかみ農場」様は水稲、小豆、黒大豆、にんじんでの水田輪作の有機JASに取り組まれています。現在、水稲12ha(うち有機コシヒカリ5ha、特別栽培米コシヒカリ7ha)、小豆1.5ha、黒大豆1.4ha、にんじん0.6ha全てを有機JASないし無化学肥料・無農薬で栽培されています。
また、土壌分析による土づくりや有機農産物の栄養分析に基づいた美味しく栄養価の高い農産物づくりに努力されています。課題である除草対策は、輪作体系や冬季の耕起、水田除草機の利用により行っています。
また、小豆・大豆の場合は、カルチ式除草機による総合的技術の組み合せにより除草対策を行っています。
プラウによる冬季の耕起
水田除草機
小豆・大豆栽培のカルチ式除草機
教育現場での事例
先進的な有機農業を実践する農業者に続く担い手を教育現場で育成
島根県立農林大学校農業科有機農業専攻の取組
島根県立農林大学校では、2012年度に有機農業専攻が設置され、島根県内で有機農業を実践する農業者に続く担い手の育成に取り組まれています。有機農業の考え方や土づくり、病害虫回避技術さらには有機JAS認証制度などの基礎を学び、実習では水田で有機水稲、有機大豆を、畑で多品目の有機野菜を輪作体系で栽培し、その生産物を販売されています。栽培ほ場は水田147a、畑57a、ハウス16aの合220a。また、県内の先進的な有機農業経営体の協力を受け、サテライト校として視察、事例講義、体験研修を行い、実践的に幅広く有機農業が学ばれています。同専攻では、スマート農業に対応したGPSガイダンストラクタ、乗用型の水田除草機、排水対策施工機など、多くの農業機械が活躍しています。
GPSガイダンスモニター
耕うん(間接耕)
乗用型水田除草機
明きょ施工(リターンデッチャ装着)
耕盤破砕施工(サブソイラ装着)