コーン仕様の普通型コンバインで大豆を収穫 お気に入りに追加
DRH1200の汎用利用時の部品交換にかかる手間を省く
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稲麦大豆の輪作体系に新たに組み入れる作物として注目されている子実とうもろこし。クボタ普通型コンバインDRH1200は子実コーンヘッダCHD1200を装着し、脱こく部もコーン専用部品に交換することですぐれた作業性・耐久性を発揮します。一方、大豆など他の作物とコンバインを汎用利用する際にはヘッダだけでなく、脱こく部をもとに戻す必要があり、手間とコストがかかります。クボタでは、コーン仕様のままのDRH1200で大豆を収穫し、専用部品の交換の手間とコストを省くことができるのかを検証しました。

目次

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実証担当者の声

クボタアグリサービス株式会社 仙台事務所
担い手推進部 横田俊彦

子実とうもろこしにDRH1200+子実コーンヘッダでの収穫を提案

高齢化に伴う農家の減少で、担い手への農地集積で経営の大規模化が進んでいます。しかしながら、規模拡大に伴う生産性向上には限度があり、新しい技術や作物の導入によって水田をフル活用して生産性をさらに高めていく必要があります。その中で、稲麦大豆の輪作体系に新たに組み入れる作物として子実とうもろこしが注目を集めています。クボタでは、子実とうもろこしの収穫には、クボタ普通型コンバインDRH1200に子実コーンヘッダCHD1200を装着し、ロスが少ない高精度の収穫作業を提案しています。

脱こく部をコーン仕様のままでヘッダのみをリールに変更したクボタ普通型コンバインDRH1200による大豆収穫

試験前に関係者と打ち合わせを行う横田さん

収穫した大豆をDRH1200から排出

コーン仕様でも品質のよい大豆が収穫された

コンバインの脱こく部をコーン仕様のままで大豆を収穫

クボタアグリサービス仙台事務所の横田部長は、「普通型コンバインの使用時期を考えた場合、子実とうもろこしの収穫後に大豆を収穫します。その場合、多くは販売会社の整備工場に入庫していただき、刈取部と脱こく部をコーン仕様から標準仕様に組み替えていますが、2-3人で半日がかりの作業となります。そこで、この入庫の手間を省こうと、脱こく部をコーン仕様のまま大豆を収穫し、選別状況を調べています。選別した大豆の収量や品質に問題なければ、内部は換えずコーンヘッダをリールヘッダにするだけで収穫できることになりますので、生産者が自分で交換でき、整備にかかる時間と費用が削減できます」と取り組みの内容を説明します。
今回はミヤギシロメを栽培する宮城県名取市の耕谷アグリサービス様の大豆ほ場をお借りして、半分は子実コーンヘッダをリールに付け替えたコーン仕様DRH1200で収穫し、残り半分を大豆仕様の普通型コンバインで収穫しました。収穫した大豆の収量と品質を比較し、両者で大きな違いがないことを検証しました。

生産者の声

宮城県名取市
有限会社 耕谷アグリサービス
代表取締役 佐藤 克行 様
【経営内容】水稲95ha(移植75ha、乾田直播20ha)
大豆85ha、麦17ha、他

稲麦大豆の2年3作体系で取り組む大規模営農

今回のDRH1200コーン仕様による大豆収穫調査のため、大豆ほ場をお借りしたのは、名取市で稲麦大豆の2年3作体系に取り組む耕谷アグリサービス様です。仙台空港から近く、海岸から約4km付近にある同社は、東日本大震災で津波による浸水で大きな被害を受けました。市内の排水機場が全損したことなどから水稲の作付を自粛。そこで、同社は浸水被害を逃れた地域で大豆の作付けを開始し、復興につなげてきました。それ以降、近隣の地域以外からも作付委託が増え、現在では、大豆の作付面積は85haにまで拡大し、原種大豆の生産までも受託しています。

実証ほ場となった耕谷アグリサービス様の大豆ほ場(品種:ミヤギシロメ)

茎の上部まで莢が付き生育の良さが見て取れる

普通型コンバインに求めるものは刈取性能と選別能力

耕谷アグリサービス様は、大豆の収穫用に普通型コンバインを2台(ERH450、ARH430)保有しています。代表を務める佐藤社長は、「大豆の収穫は11月中旬から約1 ヶ月続きます。普通型コンバインに求めるものは、作業効率を高める刈取性能と選別能力です。DRH1200は大区画ほ場を効率よく作業するコンバインとしては魅力的ですが、ほ場が広域に点在し、移動が多いうちの作業体系を考えた時、今あるコンバインのサイズが適しています。今回、来年4月発売予定のKRH450を見た顧問(佐藤顧問)から、選別性能がとてもよかったと聞いていますので、現行機からの更新を検討しています」と話します。
佐藤社長は、子実とうもろこしの作付けについては、現在は考えていないとのことですが、「機械の汎用利用は、生産コストの削減につながります。また、今回の試験のように、整備時間と費用を抑えることにつながる取り組みは、生産者にとってとてもありがたいことです。ぜひ良い結果を出してほしいですね」とクボタの取り組みにエールを送ります。

標準の大豆仕様と遜色のない選別と評価されたコーン仕様

大豆の収穫作業を視察に訪れた佐藤富志雄顧問(写真右)

クボタ技術顧問の解説

株式会社クボタ 担い手戦略推進室
技術顧問 羽鹿 牧太

新たな転作作物として注目されている子実とうもろこし

水田転換畑の重要な作物である大豆は近年単収の低下が大きな課題となっています。単収低下の要因の一つに過度な大豆作付による地力の低下や労力不足による作業競合などが指摘されています。こうした課題を解決するために、近年新たな転作作物として子実とうもろこしが注目されています。
 子実とうもろこしは栽培の手間がかからない上に稲麦大豆と共通の作業機を使えるなど、生産者が新たに取り組みやすいことが魅力です。畜産農家との連携や収益性などの課題もありますが、大量に出る収穫残渣による土づくりや輪作期間拡大などを通じた後作の麦大豆の収量増加も期待され、作付面積は年々増加しています。

コーン仕様のDRH1200はヘッダ交換のみで大豆収穫が可能

内部にコーンキットを装着したままのDRH1200による大豆収穫試験は、今回を含めて各地でのべ6回実施しましたが、大雑把に言えばコーン仕様のままで収穫しても収量は同程度で、汚粒などの品質も元の大豆仕様に比べて大きく劣ることはありませんでした。コーンヘッダとリールヘッダの交換は生産者でも簡単にできますので、子実とうもろこしを新たな輪作体系に取り入れるハードルがまた一つ下がったと言えます。
子実とうもろこし単独で収益を上げるためにはまだ課題も多いですが、今後は作業機の汎用利用による機械コストの低減や麦大豆など他の輪作作物の収量向上による輪作体系全体での収益性の向上を実証できればと考えています。

収穫後のほ場で脱粒を数え、収穫ロスを調査 する羽鹿顧問

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