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茨城県水戸市 乾田直播(一発耕起播種機トリプルエコロジー)
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クボタ ソリューションレポート #2

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【クボタ ソリューションレポート No.2】一発耕起播種機トリプルエコロジーで、 乾田直播に再チャレンジ!

【クボタ ソリューションレポート No.2】一発耕起播種機トリプルエコロジーで、 乾田直播に再チャレンジ!

飼料用米「夢あおば」による乾田直播技術の実証

 


 

【 耳より情報 】

❶ 省力・低コストが図られる乾田直播に担い手の注目が集まる!
❷ 汎用性と作業効率に優れるトリプルエコロジーで乾田直播を実証調査
❸ 以前に不耕起播種機による乾田直播に取り組んだが収量が減ってしまい、今回トリプルエコロジーで乾田直播に再チャレンジ!

 農家の高齢化、担い手への農地集積が進む中、茨城県水戸市の常澄地区では、2027年を目処に約300haの基盤整備事業が予定されており、大区画化に対応できる農業を確立するために、今、育苗に関する労力の軽減、春作業の分散、所得確保のための安定多収生産が地域の課題となっています。

 そこで、水戸地域農業改良普及センターでは、平成29年度全国農業システム化研究会の現地実証調査として、乾田直播栽培と高密度播種育苗の実用化を検討する実証調査を行うことになりました。今回は、水戸市平戸町の乾田直播実証圃場で4月14日に実施された、一発耕起播種機トリプルエコロジーによる飼料用米「夢あおば」の播種作業を取材しました。

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乾田直播による育苗の省力化、
春作業の分散は大きなメリット
トリプルエコロジーによる実証に期待しています!

 私たちは、水稲・麦・大豆を含めて約64ha を経営、その中で飼料用米を15ha ほど栽培しています。この地域も他の地域と同様に専業農家が減少していますので、これからは、乾田直播のような人手をかけないような稲作をする必要があると考えて、主食用米で取り組んだことがあります。
 そのときの播種機は、不耕起播種機だったんですが、播種溝が深く、固く湿った土壌条件では、目標とする分げつが取れず、まるでネギが植わっているような感じの稲姿でした。収量も移植に比べ3 割も減収です。それでは組合員の方の同意は得られません。
 しかし、直播のメリットとして、育苗の労力が省けるというのは大きいんですね。それと育苗とか田植えの期間と作業がぶつからない。また、育苗の技術というものは、ある程度高度なものですから失敗することも多いんです。直接種籾を圃場に播ける方がリスクも少なくなるんじゃないかなと思います。規模が大きい稲作経営になると、このような技術が必要じゃないでしょうか。
 今回、実証試験のお話をいただいて改めて乾田直播に取り組むことになりましたが、今回の播種機では、以前と播種方法が違うので、生育にどのような違いが出るのか、収量がどれほど増加するのかを比較して見てみたいと思います。実証にはとても期待しています。

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トリプルエコロジーを実証に採用した理由は、
「稲・麦・大豆の汎用利用」と「同時作業による作業効率の高さ」です。

 今回の乾田直播による実証試験において、播種機として使用したトリプルエコロジーは、当地域が稲・麦・大豆による営農形態が確立している中で、機械の汎用性があれば導入計画を立てやすいことと、播種と同時に耕起、施肥が行えることで作業効率が高まることがメリットとして挙げられますので採用しました。

トリプルエコロジーは、
この地域の乾田直播の課題を改善できる播種機だと思います。

 地域が高齢化し、アグリ平戸さんのような法人に農地が集積して、担い手の経営規模が拡大しているのですが、育苗ハウスの増設には費用もかかります。現在の育苗ハウスで面積拡大できる方法はないだろうかと考えたときに、直播であれば苗を作る必要がないと。密播であれば今と同じハウスでもっと多くの面積に対応できるということで、今回、乾田直播と密播苗育苗の実証を行うことになりました。 
 この地域で従来、取り組まれていた乾田直播では、耕起しないで溝を切って播種する汎用不耕起播種機を用いていましたが、この播種方法ですと、条件によっては茎が増えづらい、穂が増えづらいという場合もあり、今回の実証で使用する一発耕起播種機トリプルエコロジーは、耕起しながら播種していくので、その課題が改善されるのではないかと期待しています。
 また、この播種機を使用することで、2 つ3 つの品目で使えるということになると、償却資産、減価償却がかなり圧縮されると思います。そういった使い方が最終的な目標だと思われますので、試験の状況を見ながら麦・大豆への導入も今後検討していきたいと思います。

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