【クボタ ソリューションレポート No.11】一発耕起播種機トリプルエコロジーによる乾田直播、期待に応える収量を確保! お気に入りに追加
茨城県水戸市 乾田直播(一発耕起播種機トリプルエコロジー)
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クボタ ソリューションレポート #11

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【クボタ ソリューションレポート No.11】一発耕起播種機トリプルエコロジーによる乾田直播、期待に応える収量を確保!

【クボタ ソリューションレポート No.11】一発耕起播種機トリプルエコロジーによる乾田直播、期待に応える収量を確保!

今年4月より取り組んできた一発耕起播種機トリプルエコロジーによる乾田直播の実証。10月2日に水戸市平戸地区の実証圃場にて収穫を迎ました。

 


 

【 耳より情報 】

❶ 2度目の乾田直播への挑戦で、前回の取組みを大幅に上回る収量を確保
❷ トリプルエコロジーによる深耕が良好な生育につながる
❸ 次回は完全な一発耕起播種での実証を望む
❹ 直播による主食用米への挑戦

 播種時に圃場の水分量が多かったことから、土塊ができ心配されたものの、ハンマーモアによる砕土の効果で良好な出芽が得られました。その影響で、圃場内では出芽時期に生育ムラが出ましたが、食味にこだわらない飼料用米ということもあり、生育の遅い稲に収穫時期を合わせて刈り取りました。全体的な生育は順調で、しっかりと収量を確保することができました。

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予想を上回る収量が確保できました。
今度は、主食用米で挑戦したいです!

 以前に不耕起播種機で直播に取り組んだときは、稲株の本数が今回の1/3にも満たなかったんですよ。収穫の時期を迎えても株元が見えるほどでした。でも、今回は、穂先が大きく倒伏しそうなところも見受けられるぐらいで、肥培管理と生育のバランスはかなり良かったように思います。これなら移植並みの収量も見込めると期待しています。雑草対策もうまくいき、管理もしやすかったので、これだけの仕上がりが安定してできるのであれば、これは魅力的な栽培技術ですね。
 今回は、「夢あおば」で飼料用米として作付けしましたので、コスト削減と収量確保をおさえれば良かったのですが、主食用米となると食味も大切になりますから、より多くのことに注意を向けて栽培しなければいけません。地域の生産者からは、主食用米での乾田直播の実証試験を望む声も挙がっていますので、是非、次の段階として、コシヒカリでの乾田直播の実証試験をお願いしたいですね。

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トリプルエコロジーの深耕が、
良好な生育に繋がったと思います。

 播種後にできた土塊をハンマーモアで砕土したことで、適正な出芽率を確保することができましたが、初期の砕土率の低さが影響してか、圃場の手前と奥とでは出芽日に10 日から20 日ほどの生育ムラが生じました。飼料用米は品質にこだわる必要がないため、出穂の遅い方に合わせた刈取りで問題ありませんが、主食用米の場合は出穂・開花の時期にズレが生じると刈取時期の見極めが難しくなり品質に影響が出ます。

 今回は実証前に圃場を耕起していたため、トリプルエコロジーの大きな特徴である不耕起播種によるメリットを実証することができませんでした。しかし、通常のロータリと比べてトリプルエコロジーによる耕起では、耕深はより深くなるため、それが十分な根張りと茎数の確保に繋がったのではないかと推測しています。その点に関しては、トリプルエコロジーを使用したメリットを得られたと言えるかもしれません。

 茨城県県央地域では乾田直播の普及は進んでいません。他県、他の地域の不耕起播種の成功例などを参考にしつつ、地域の生産者の皆さまの声を聞き、その上で、トリプルエコロジーの本来の持ち味である、不耕起播種について実証し、その効果を確認する必要があると考えています。


 

十分な収量が確保でき、
期待通りの成果が上がった実証になりました。

 播種後にできた土塊をハンマーモアで砕土したことで、適正な出芽率を確保することができましたが、初期の砕土率の低さが影響してか、圃場の手前と奥とでは出芽日に10 日から20 日ほどの生育ムラが生じました。飼料用米は品質にこだわる必要がないため、出穂の遅い方に合わせた刈取りで問題ありませんが、主食用米の場合は出穂・開花の時期にズレが生じると刈取時期の見極めが難しくなり品質に影響が出ます。

 今回は実証前に圃場を耕起していたため、トリプルエコロジーの大きな特徴である不耕起播種によるメリットを実証することができませんでした。しかし、通常のロータリと比べてトリプルエコロジーによる耕起では、耕深はより深くなるため、それが十分な根張りと茎数の確保に繋がったのではないかと推測しています。その点に関しては、トリプルエコロジーを使用したメリットを得られたと言えるかもしれません。

 茨城県県央地域では乾田直播の普及は進んでいません。他県、他の地域の不耕起播種の成功例などを参考にしつつ、地域の生産者の皆さまの声を聞き、その上で、トリプルエコロジーの本来の持ち味である、不耕起播種について実証し、その効果を確認する必要があると考えています。


 

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