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福島県南相馬市スマート農業実証プロ
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クボタ ソリューションレポート #52

スマート農業加速化実証プロジェクト

福島県|

稲|

南相馬市でアグリロボコンバインの収穫実演会を開催! 非熟練者でもDR6130Aならスムーズな収穫作業を実現

南相馬市でアグリロボコンバインの収穫実演会を開催! 非熟練者でもDR6130Aならスムーズな収穫作業を実現

「スマート農業」を実証するため2019年から行われている「スマート農業加速化実証プロジェクト」に参画している㈱紅梅夢ファーム様。2019年9月26日に実施されたアグリロボコンバインDR6130Aによる収穫実演会の様子をレポートします。

 


 

【実証課題名 】

担い手と労働力の確保が著しく困難な条件下で、非熟練労働力を活用しつつ高レベルで均質な農産物の生産と規模拡大を実現する技術体系の実証

【構成員】

福島県(農業振興課・農業総合センター・相双農林事務所)・福島大学・(公社)福島相双復興推進機構・(株)紅梅夢ファーム・(一社)食品需給研究センター(実証管理運営機関)・(株)南東北クボタ・クボタアグリサービス(株)・(株)クボタ

 福島県が代表機関をつとめる「南相馬市小高スマート農業実証コンソーシアム」では、東日本大震災以降、避難により営農が中断し、担い手の確保が著しく難しくなる中で、スマート農業を導入することで、未熟練者でも、熟練者と肩を並べることのできる高い栽培技術の実現に取り組んでいます。実証の一環として行われた収穫実演会では、入社1年にも満たないオペレータがコンバインに搭乗。「DR6130Aの自動運転アシスト機能を活用し、スムーズな稲刈り作業ができました。経営の即戦力として活用できる機械だと感じることができました。」と評価いただきました。また、当日は多くのメディア関係者が実演会の様子を取材、スマート農業への高い関心が伺える実演会となりました。

スマート農業でスキルアップを図る若い方にとって
魅力ある農業経営を行っていきたい

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 東日本大震災の影響で離散した住民や農業者が地域に戻ってこず、もともと3200戸ほどの農業者が1%になってしまいました。戻った農業者も離農や委託を希望しているため、作付面積を拡大し続ければいけない中で、人材確保と作業効率向上が課題となっています。本来なら中堅になる人材が必要ですが、戻って来られない方にいつまで頼っていても先に進まないので、若い方を育てて行こうと。我々と同じレベルまで経験値のある方が働くのであれば、既存の機械で十分ですが、経験が少ない社員が多い中で、経験不足を補ってくれるのがスマート農機だと考えています。人手不足で、経験値が浅い方を雇うことが多いので、スマート農機を活用しながらレベルアップを図ってもらい、より効率的な経営をするための条件を整えていきたいです。

 震災後に福島県営農再開支援事業に申請し、再スタートを図ったのですが、この時点ですでにスマート農業技術の導入を検討していました。ただ、福島県の中でも南相馬市が一番農業機械の導入要望が多く、導入したい時期に納入されないという状況であったために、アグリロボトラクタSL60Aを自前で導入しました。SL60Aを使用することで、若い方達の活躍する場が増えると考えたのです。さらに、別のスマート農機の導入を考えていた頃、農水省から「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」の募集があり、この取組みに参画することとなりました。

 実証が始まって、現段階で軽労化を一番実感したのはほ場管理システム WATARAですね。今までは、2人で約70筆のほ場の水管理に2時間程度かかっていたのですが、自動で給水ができる電動アクチュエータをほ場に23台設置しただけで、40分 程度まで管理時間が削減されました。若いスタッフでも朝一番でパソコンをみれば、ほ場がどういった状態なのか確認でき、ほ場を熟知していなくても、パソコンの情報を参考にしながらほ場を周回することができるので、作業効率が上がりました。19歳、20歳くらいのスタッフがトラックでほ場を回り、元気に仕事をしている姿に刺激され、少しづつ農業を再開する近隣の方もいます。若者が魅力ある農業をどんどん発信してくれれば、地域の活性化にも繋がります。今後も若者のパワーを大事にして経営を行って行きたいですね。

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スマート農機を駆使して地域で一番のオペレータを目指します

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 元々別の仕事をしていたのですが、機会があって、2018年12月に㈱紅梅夢ファームに入社し、本格的に農業をすることになりました。実家が農家だったので、小さい田んぼでの農作業はしたことがありましたが、大区画ほ場で仕事をするのは初めてで、機械もほとんど初心者の状態でした。実証が始まって以来、直進キープ機能付き田植機や、今回の自動運転アシストがついたコンバインで作業をしましたが、自動運転中は何も操作をしなくてもいいので楽ですね。人手不足が深刻になる中で、こういった機械があると、若い人も即戦力になることができます。ただ、何かあった時にすぐに対応できるように、ある程度のスキルは必要なのかなと思います。自分もまだまだ未熟なオペレータなので、他の若いスタッフに負けないように切磋琢磨して、地域で一番のオペレータを目指します。

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基地局設置が不要なVRS※方式で自動運転を行う(※ VRS+F132+N134)

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 南相馬市では震災以降、担い手が極端に少なくなっています。そういう状況下で、スマート農機を導入し、効率アップと、生産性、品質の向上を目指して、実証に取り組んでいるところです。
 私も30年近く、生産者を支援する仕事を行ってまいりましたが、農業を取り巻く環境が大きく変動してきていることを肌で感じています。ICT、IoTを活用し、リアルタイムの情報がパソコン上に表示されることでほ場単位で管理が行なえ、次年度の管理にも活かすことができます。営農を"見える化"できるKSASは効果的なシステムですね。今回の実演会で使用した、DR6130Aの食味・収量メッシュマップデータなどKSASに 蓄積された情報を使えば、翌年の作付計画がより的確になると考えています。
 担い手が少なくなり、技術的に未熟な若い方も第一線で働くことを余儀なくされている状況下、スマート農機は、農業に興味を持ってもらうためにも非常に有効であると考えています。スマート農機の導入により、少人数での経営を可能にし、またKSASによって、蓄積された情報を活用することで、経営体の 技術力アップに繋げていきたい。

栽培データをKSASに蓄積して次年度の栽培計画に役立てていきたい

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 南相馬市小高区では、東日本大震災以降避難指示が出されていました。現在、避難指示は解除になっていますが、なかなか人が戻って来ず、農地の利用も思ったようには進んでおりません。担い手が少ない中、農地の荒廃を防ぐために、いかに農業を再開していくかが課題となっていました。担い手が限られるなかでも、安定かつ高品質で生産性の高い、持続可能な農業を実現するにはスマート農業技術の活用が不可欠です。地域の課題解決に寄与するという意識を持って、復興農業に中核的に取り組んでおられる紅梅夢ファーム様と共にコンソーシアムを立ち上げ、スマート農業加速化実証プロジェクトに取り組んでいます。
 今回の実証では、生産工程の中で使用できるスマート農機はなるべく導入していただいて、作物の品質、収量、少ない人数での農業経営にどのように効果を及ぼすか実証したいと考えています。ありがたいことに、クボタの協力も頂き、最新の機械を導入しており、2年をかけて実証に取り組むことができます。また、実証も大切ですが、2年後、紅梅夢ファーム様が実証で蓄えた知見を経営に反映させて生産性を上げ、規模拡大に対応できる農業を続けてもらうことも大切です。そのために、2年間しっかりと実証をして、紅梅夢ファーム様だけではなく地域にもスマート農業について理解し受け入れて頂けるよう、情報も積極的に発信し、少しでも皆様の力になりたいと思います。

スマート農業実証プロジェクト
アグリロボコンバインDR6130A収穫実演会
(福島県南相馬市・㈱紅梅夢ファーム)

▶ほ場水管理システムWATARAS 製品情報はこちら
https://agriculture.kubota.co.jp/product/kanren/wataras/
▶クボタ農業経営支援システムKSAS 詳しくはこちら
https://ksas.kubota.co.jp/
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