クボタ ソリューションレポート #53
スマート農業加速化実証プロジェクト
宮城県|
稲|
宮城県が代表をつとめる『超低コスト「輸出米」生産実証コンソーシアム』では、労働力不足、急速な集積・集約等地域農業が抱える様々な課題を解決すべく、東松島市野蒜地区の(有)アグリードなるせ様のほ場にて「スマート農業実証プロジェクト」に取り組んでいます。今回は、2019年10月に開催された「スマート農業機械現地実演会(第3弾)」の様子をレポートします。実演会には村井嘉浩宮城県知事も訪れ、自らアグリロボコンバインWRH1200Aでの稲刈を体験されました。
全国に先駆けたスマート農業先進県を目指して実証に取り組んでいます!
本年度のスマート農業実演会も今回で3回目となりました。これまで2回の実演会では、200名、150名に参加いただきありがとうございました。農業を取り巻く課題、労働力不足や若い後継者の経験・技術不足などを解決するために、省力化や作業精度の向上が期待できるICT、AI、ロボットなどのスマート農業技術の導入が重要になってくると考えています。 今回の実演会は、自動運転コンバインによる水稲収穫作業、自動走行トラクタと高速汎用播種機による麦播種作業も実演いたします。また、作業の効率化を図る上でも、作業実績の把握や生育状況の記録、共有を可能にする経営管理システムの活用についてもご説明したいと考えています。宮城県としましては、県内すべての大規模土地利用型農業法人にスマート農業技術が普及・拡大するように施策を展開し、また支援することで、全国に先駆けたスマート農業先進県を目指してまいります。
実証の成果を農業のコスト削減、働き方改革につなげていきたい!
本市でも農業のコスト削減は極めて重要だと考えております。特に水稲の直播につきましては、生産コストを約3割削減できるということで、今後大いに進めたいと考えています。水稲直播栽培促進のため現在、栽培団地が5ha以上の生産者に対し、10a当たり2千円の補助をしています。その結果、本市の水稲直播栽培は、成27年度88ha、全水稲作付面積の4.8%から、令和元年度見込で238haと、全水稲作付面積の11.8%に増加しております。またスマート農業については、本市の㈲アグリードなるせ様を実証の場として、国のスマート農業技術の開発・実証プロジェクトを開始し、本市も、共同 実証機関として参画しております。 ここで得られる成果につきまして、農業のコスト削減、労働力不足への対応、働き方改革の推進等につなげていきたいと考えています。
村井宮城県知事が現地実演会を視察 自動走行コンバインに試乗されました!
スマート農業技術によって誰でも農業に携わることが出来る時代が来ると実感しました!
宮城県知事 村井 嘉浩 様
農業に関心のある人が就農を考えていても、経験が無ければ、「果たして出来るんだろうか」と不安になると思います。しかし、今日、スマート農業技術の一端を体験させていただき、これなら誰でも農業に携わることが出来ると確信しました。農業はここまで進化しているんですね。
宮城県は、農地を集約化し、大規模農業を推進しようとしています。そのための、人手が不足し、高齢化が進んでいる状況下、このようなスマート農業機械を導入し、大きな圃場も整備しながら、しっかりとした環境づくりをしていく。そうすることで、期待通りの効果が出るのではないかと思います。
作業実演❶
普通型自動運転コンバイン(食味・収量メッシュマップ機能付き)による水稲の収穫作業
オペレータが搭乗した状態で自動運転し、稲・麦収獲作業をアシスト。GPS搭載農機として、オペレータが搭乗した状態での自動運転による稲・麦の収穫作業を可能にした「アグリロボコンバイン」。自動運転アシストによる刈取り中は、作業エンジン回転数の切り替え、刈取・脱こくクラッチ入/切、刈取部の昇降、方向修正、次行程への旋回移動などを自動で行います。通常運転では、大豆やトウモロコシの収穫もできます。
KSASによる食味・収量マップの説明会を実施
刈り取りながら、圃場内の収量・水分・タンパク含有率を自動で測定し、KSASにデータを記録。翌年の作付けに活用して、生産性向上につなげます。また圃場内のバラツキをメッシュマップで表示できます。
作業実演❷
自動操舵機能付きトラクタと高速汎用施肥播種機による麦播種作
GPSを利用した自動操舵機能(オートステアリング機能)を搭載し、自動走行により作業精度や能率アップに貢献。作業者の労働負担を軽減します。
水稲(乾田直播)、麦、大豆、トウモロコシなど幅広い作物の播種作業を、高速、高精度でこなします。作業コストを大幅に低減し、規模拡大や複合経営に貢献します。
作業実演❸
ロボットトラクタによる無人での耕うん作業(デモ)
人の目視監視下で、無人での自動運転作業を実現。
高度なGPSと自動運転による精度の高い耕起、代かき作業が可能になります。
中核となるオペレータの皆様にスマート農業について感想をお聞きしました
~実証農場の声 ㈲アグリードなるせ~
少ない農業経験をスマート農業技術が補ってくれます
生産部長門馬 光昭 様
実は私はコンバイン作業での刈取作業は今年デビューで、初めてに近いような状況で乗ったんですけど、操作は簡単ですね。稲刈りが始まって約2週間ずっとWRH1200Aに乗って作業していますが、自動運転機能を使えば、精神的な疲労もなく、楽に刈れています。農業経験がない者でも、刈取作業をこなせるので、その辺がスマート農業の魅力じゃないかなと思います。
スマート農業に魅力を感じて若い人に就農してほしい!
農場長 尾形 和利 様
農業できちんと生活ができる、所得が得られる、そういう企業を目指しています。 地域の人がどんどん就職してくれて、地域全体が発展していくことが重要じゃないかなと思います。そのためにスマート農業は大きく貢献する技術だと思います。若い世代の人たちが、そこに魅力を感じて、農業の世界に入ってきてくれることを願っています。
自動運転コンバインで楽に刈取りができました!
遠藤 敬宏 様
今年の4月に入社したばかりです。無人トラクタの運転やラジコンヘリの操縦をさせてもらっています。コンバインでの収穫作業は初めてでした。自動運転は楽で、細かいところに気を使わなくていいので、ミスも少なくなると思います。それと、無人トラクタやコンバインがKSASと連動していることで、今日までどこを刈ってその籾の状態がどうだったかといった情報が記録されているので、今後の作業計画が立てやすいですね。
スマート農業実証プロジェクト 宮城県松島市
大規模水田作のスマート農業機械現地実演会(第三弾)
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