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育苗、マルチ作業を省力化! 生産農家の課題解決につながるたまねぎ直播栽培

最新技術実証2021/11/05

岐阜県

たまねぎ

ソリューションレポート

全農岐阜県本部「クボタたまねぎ直播機」実演会

〜育苗、マルチ作業を省力化! 生産農家の課題解決につながるたまねぎ直播栽培〜

育苗、マルチ作業を省力化! 生産農家の課題解決につながるたまねぎ直播栽培

 2021年9月29日、岐阜県大野町下座倉地区のほ場において、全国農業協同組合連合会 岐阜県本部(以下全農岐阜)の主催で、「クボタたまねぎ直播機」の実演会が行われました。

クボタたまねぎ直播機動画





農研機構、全農、クボタが一体となって開発したクボタたまねぎ直播機

 国内のたまねぎ生産で主流の移植栽培は、生育が安定しますが、育苗に多くの労働時間や資材費が必要で生産コスト高の要因となっています。一方、育苗の必要がない直播栽培は、生産コストは削減できますが、出芽や生育が不安定という課題がありました。
 そこで、農研機構は、うね立て・播種を同時、かつ効果的な方法で行うことができる直播用の作業機を開発し、全農との共同研究によって、直播栽培でも移植栽培と同等以上の収量を得ることが可能であることを実証。さらにクボタと一緒に改良を重ね、製品化されたのが「クボタたまねぎ直播機」です。

 実演会は、秋晴れの中、全農岐阜やいび川農協の関係者を始め、管内の生産者、関連農機メーカーが参加し行われました。まず最初に、クボタが、たまねぎ直播機の特徴や導入メリットを紹介。引き続き、全農岐阜が、使用する肥料や薬剤など関連資材について説明。その後、たまねぎ直播機による播種作業を見学しました。多くの参加者が、実際にほ場に入り、播種状況を確認しながら、担当者に機械や栽培体系について質問する姿が数多く見受けられ、関心の高さを示す実演会となりました。

実証担当者の声
省力化、コスト削減が期待できるたまねぎ直播栽培は、
普及の可能性を秘めている栽培技術だと思います

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回収、補修に労力・コストがかかるたまねぎのマルチ栽培
 JAグループとして、農家の皆様に対して、手取り最大化を目的に、農閑期に栽培でき、しかも機械化によって面積拡大が可能な加工業務用野菜の取組みを提案しています。今回のたまねぎ直播機についても、全農本所から話を聞き、岐阜県本部内で検討した上で、農家の皆様にとって、必ず役に立つ技術だと考えて、県内で実演してみようと企画しました。
 たまねぎ栽培は、今、マルチ栽培が主流ですが、マルチは、強風や台風でめくれあがったところを補修したり、収穫する時にマルチを剥がすことがとても手間で、人手も反当たりの資材費も馬鹿になりません。直播栽培によって、マルチ無し栽培が普及すれば、農家にとってコスト面でも労力面でもプラスになります。また、マルチを使わなければ環境にも配慮できます。もちろん生分解性マルチもありますが、コストも高いため、使わずに業務用の規格のたまねぎが収穫できるなら、それがいちばんだと思います。

1人作業も可能な直播の播種作業
 たまねぎ直播機については、うね立てや播種などが同時にできるので、非常に効率的だと感じました。ポット苗での移植作業を、二人体制で行っていたものが、この直播機だと10aほどの面積なら資材の補充もなさそうですし、一人でできるのであれば、多少、稲の収穫時期と作業が重なったとしても、問題はないのではと思っています。今後は、リン酸を種子の直下に施肥する技術が、生育にどのように影響するのか、実際に実証していきたいと考えています。
 あくまで個人的な考えですが、直播で作業が省力化されたり、コストが削減できるということであれば、法人で導入を検討される方はおられると思います。その際に、発芽率、雑草対策、マルチの有無などが、実証を通じて立証でき、いけるぞということがアナウンスできれば、現場で広がる可能性は十分あると思っています。

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営農指導担当者(TAC)の声
手間のかかる育苗が省ける直播栽培は、
生産農家にとって大きなメリットが生まれます

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経営面積が増える中、労働時間の短縮が大きな課題
 大野町にある下座倉地区は、露地野菜の栽培が盛んな地域です。露地野菜は色々な作物が栽培されていますが、JAいび川が特に力を入れているのは、キャベツとたまねぎです。昔は、大野町はたまねぎの大産地で、一家にひとつ、たまねぎを吊るす小屋があるという感じでしたが、今や高齢化の影響もあり、縮小傾向にあります。これから益々、農家人口は減少し、一農家あたりの経営面積は増えていくことが予想されますから、いかに省力化して、労働時間を短縮できるかが、いちばんの課題です。

麦の播種作業と重なるたまねぎの移植時期
 今、進めている加工業務用のたまねぎは、移植機を使って定植していますが、直播栽培なら、育苗と移植する手間が省けるので、省力化という面では、非常に魅力的な技術です。それに、移植時期は、麦の播種が始まる忙しい時期ですので、直播栽培を組み入れることで移植面積を減らし、省力化が図れるのではと思います。また、移植機に合う上手な苗を作るのは、なかなか難しく、太すぎたり、長すぎたり、ちょうどいい大きさに留める育苗というのは、経験と技術が必要です。直播栽培ならこの手間がなくなることもメリットですね。ただ、いくぶん初期投資がかかるので、各機関と連携して、どんな補助事業を使えるのか考えながら進めていかないといけないと思っています。

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農機メーカーに聞く
種子にやさしく
高い播種精度のベルト繰上げ式の播種機を採用しています

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 たまねぎ栽培は、通常、育苗しながらの移植栽培が多いと思いますが、今回、直播ができることになり、労働時間、生産コストの削減が期待できます。弊社では、クボタたまねぎ直播機の播種機と農薬散布機を担当致しました。播種機の一番の特長は、弊社の「種まき機ごんべえ」のベルト繰上げ式を採用しているところです。下から種子がベルトの上に乗って上がってきて、落ちるところが見えるので、作業しながらちゃんと種子が落ちているのか、目で確認しながら、播種を行える機構になっています。また、コート種子を傷めず1粒播きできますので、高い播種精度を確保できます。今回、播種深さは約2cm、株間10cmで播種を行いました。発芽率は80%を目標としており、これまでの実証結果により、株間は8~10cmとしています。株間は付属のギヤーの組み合せで簡単に変更できます。

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スマート農業実証プロジェクト 現地レポート!(PDF)のダウンロードはこちら


▶お問い合わせはお近くのクボタのお店まで

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