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「ほ場水管理システムWATARAS」による省力化実証

最新技術実証2020/04/17

福島県

岡山県

〜「ほ場水管理システムWATARAS」による省力化実証〜

「ほ場水管理システムWATARAS」による省力化実証

水稲栽培において、労働時間の約3割を占める水管理は、規模拡大が進む大規模経営体にとって大きな労働負担となっています。その課題に対応して、スマートフォンやパソコンから遠隔操作や自動給排水が制御できる「ほ場水管理システムWATARAS」が注目を集めています。今回は、2019年度のスマート農業実証プロジェクトに参画し、WATARAS実証に取り組んでおられる農場を訪問。水管理の現状とWATARAS導入効果等についてお話を伺いました。

WATARAS導入で、ほ場を回る時間が大幅に削減されました!

 福島県南相馬地区では、震災以降、農業の担い手が極端に減少。地域の水田農業を発展させるため、関係機関と連携を図りコンソーシアムを立ち上げて、国のスマート農業実証プロジェクトに取り組んでいます。実証農場として参画している紅梅夢ファームは、スマート農業機械を活用しながら、 若い非熟練者でも熟練者と肩を並べることのできる栽培レベルの実現に取り組んでいます。佐藤社長は、「夏場の水管理を省力化しようと、WATARASを実証に組み入れました。ほ場を回る時間がかなり削減され、軽労化を実感しました」と話します。

 「若いスタッフが朝一番でパソコンの画面を見ながら、各ほ場がどのような状態なのか確認してくれるので、『このほ場は、立ち止まってゆっくり点検しよう』とか、『ここは何も問題がないので素通りして回ろう』という判断が出来て、効率がとても良くなりました」と佐藤社長。今までは、70筆のほ場を2人体制で約2時間かけて見回りしていましたが、実証プロジェクトで、約3分の1に相当する23か所のほ場にWATARASの電動アクチュエータを設置。見回るほ場の数が減ったことに加え、「離れたほ場への移動時間が減ったこと」、「個々のほ場での作業時間が減ったこと」などにより、見回りにかかる時間が約40分に短縮されたそうです。

 また、機能的に気に入っている点については、「ほ場の水温が一目瞭然で分かる点と、一定堪水制御ですね。例えば水位を10cmで設定すると、その水位より下がれば、自動的にバルブが開いて水が入る※、10cmになれば閉まる。これらのこともパソコンに当然反映されてくるんですけど、機能的には十二分に活かされると思っています」と喜びます。

※あらかじめ水位(例:10cm)と制御幅(例:2cm)を設定し、計測水位が設定水位より制御幅分下回る(例:8cm(10cm-2cm))と、自動的にバルブが開きます。

WATARAS導入で水管理労力が大幅削減、収量が向上しました!

 岡山県真庭市では、農業者の高齢化、農地集積による作業効率の悪化など、中山間地域ならではの営農課題をスマート農業技術で解決しようと実証プロジェクトが進められています。実証農場の寄江原は、WATARASの給水用と排水用を対にして10枚の水田に設置し、水管理の自動化、省力化に取り組んでいます。

 実証に関わった矢萩組合長は、「今まで限られた人員で水稲の管理作業に取り組んでいましたが、初期の水管理が不十分で雑草に悩まされたり、夏場の管理も大変でした。個々の管理では、水の垂れ流しも見られ、用水ポンプの電気代がかさむなどの問題もありました。そんな中、WATARASを導入したことで、期待以上の成果を得ることができました。スマホで水位を確認することで田の見回りが大幅に省け、水管理の労働時間が、設置した3.2haと未設置の1.8haを含めても、前年の173時間から88時間へと55%削減でき、1ほ場当たりでは未設置ほ場対比8割削減となりました」と初年度の結果について語ってくださいました。

 また実証を通じて、夏場はかんがい水で地温を下げる目的の早朝入水でしたが、WATARASの水温データから、かんがい水温が高く、かえって田面水温を上昇させていることが分かりました。これを踏まえ入水時間を午後3時に変更したことで水温、地温の上昇を抑えることができたそうです。未設置ほ場も同様に入水時間の変更を行ったことから、設置・未設置で収量面では大きな差はつきませんでしたが、「平均収量は例年の7~8俵に対して、初めて9俵を超えることができました」と矢萩組合長。組合の食味・収量コンバインで収穫している周囲の個別管理ほ場の収量は例年並みの7~8俵にとどまっており、これはきめ細かな水位管理と水温抑制の効果と考えています。

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実証に取り組むことで、若い人たちが憧れる農業をつくっていきたい

 農業経営の大規模化、担い手の労働力不足が進む中、水田管理作業の省力化は大きな課題です。水管理にかかる作業時間を削減できれば、新たな作業に力を注げ、営農の幅も広がります。WATARASの実証には多くの大規模経営体が注目しています。矢萩組合長は、「今年は設置が間に合わず、鉄コーティング直播の極初期の水管理に使えませんでしたが、良好な生育を得ることができました。来年は、ほ場に額縁明きょを設置して、代かきから播種・移植前後の水管理もWATARASで計画的に進め、より適正な水管理を図っていきたいと考えています。みんなで新たな中山間地農業に挑戦していきます」と次年度への意気込みを語ります。また、佐藤社長は、「農業の経験不足を補ってくれるのがスマート農業だと思います。WATARASをはじめ、スマート農業に取り組むことで、若い人たちが憧れる農業をつくっていきたいですね」と実証を地域農業の活性化につなげたいと考えています。

▶WATARAS製品情報はこちら
https://agriculture.kubota.co.jp/product/kanren/wataras/
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