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【クボタ ソリューションレポート No.39】全国農業システム化研究会~ICTを活用した水稲の水管理作業の省力化と収量・品質の向上~

最新技術実証2019/11/06

徳島県

クボタ ソリューションレポート #39

徳島県阿南市 スマート農業

〜【クボタ ソリューションレポート No.39】全国農業システム化研究会~ICTを活用した水稲の水管理作業の省力化と収量・品質の向上~〜

【クボタ ソリューションレポート No.39】全国農業システム化研究会~ICTを活用した水稲の水管理作業の省力化と収量・品質の向上~

令和元年7月5日、徳島県阿南市で、全国農業システム化研究会の今年度の現地検討会が、スマート農業研修会と合わせて開催されました。

【 耳より情報 】

❶ スマート農業の理解を深める研修会の開催
❷ WATARASによる水管理作業の省力化実証調査を実施(2年目)
❸ KSAS・スマート農機(ICT田植機、食味・収量センサ付きコンバイン等)による作業性、収量・品質の向上を実証

【大規模土地利用型経営体で、スマート農業技術の一貫体系を実証】

 徳島県(阿南農業支援センター、経営推進課、高度技術支援課)では、全国農業システム化研究会の現地実証調査として、スマート農業技術による一貫体系構築のための実証試験を行っています。
 実証2年目は、地域への波及効果を高めるとともに、スマート農業技術についての理解を深めることを目的に、7月5日に現地検討会を含めたスマート農業研修会を開催し、県内の生産者、関係機関の担当者約50名が参加しました。
 研修会では、中四国クボタが講義を担当し、営農支援システム(KSAS)、クボタが開発した先端技術、スマート農機を紹介。また、岡山県真庭市で今年度からスタートしたスマート農業実証プロジェクトの事例を交えながら、「農業技術」×「先端技術」によってスマート農業がもたらす効果を講演しました。続いて,昨年度の調査報告が行われた後、圃場水管理システム(WATARAS)の調査圃場にて、メーカー担当者による操作実演と意見交換が行われました。

研修会内容

●開会あいさつ

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 ・省力化、高品質・安定生産を実現するスマート農業を推進
 ・普及支援センターにスマート農業技術の担当者、
  または相談窓口を設置

●スマート農業技術について

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 営農支援システムKSASとICTを活用したスマート農機を連動することで、高収量・高品質・良食味米の生産を可能にするクボタスマートアグリシステムを紹介

●全国農業システム化研究会 平成30年度現地試験の調査報告

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 圃場水管理システム(WATARAS)の解説と平成30年度の試験結果を報告

●圃場水管理システムWATARASの操作実演

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 圃場に設置した電動アクチュエータの仕組みを解説とスマホ操作による自動灌水を実演

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生産現場で新たな技術が普及できるようにチャレンジしていきたい

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 徳島県では,IoT、AI、ロボット技術等の新技術やビッグデータを活用した高品質・安定生産を実現するスマート農業を推進しています。
 水稲では,平成30年度から全国農業システム化研究会と連携し,県内の大規模経営体において,西日本初となる遠隔操作による圃場水管理システム(WATARAS)の現地試験を開始し,今年度から新たにGPSを活用したICT田植機(直進キープ機能,株間キープ機能,施肥量キープ機能を搭載している)を加え,経営管理・移植・水管理・収穫の4技術体系の実証調査を行っています。
 一方、近年は農業従事者の高齢化や担い手不足により,耕作放棄地も増加しており,農地は農地として維持・活用していきたいとの想いがあります。
 スマート農業は、要素技術を活用することで農業経験がない方も参入できます。農業の担い手を確保し、少ない人数でも多くの農地を管理できるよう新たな革新技術にチャレンジするとともに、技術が産地で更に力を発揮できるよう関係者の皆様と協力して検証し、もっと農家の負担を軽減できればと思います。

■実証するスマート農業技術

(1)管理: 営農支援システムKSAS
(2)移植: ICT田植機〔株間キープ・施肥量キープ・直進キープ機能付き田植機〕
(3)水管理: 圃場水管理システムWATARAS
(4)収穫: 食味・収量センサ付きコンバイン

全国農業システム化研修会 WATARAS設置による水管理省力試験
平成30年度 結果概要及び考察

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① 灌水時間(移植後30~105日)は、実証区が遠隔操作による移動時間が削減されたことから、慣行区に比べて約6割削減された(表1)
② 生育(移植後50日頃)は、草丈、茎数及び葉色に差がなかった
③ 穂長、わら重及び粗籾重は、実証区が1割程度優れ、きめ細かい水管理の影響も要因と思われた
④ 玄米タンパク含有率は、差がなかった

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~研修会に参加された生産者の方にお話を伺いました~
大小100筆以上の圃場が分散、KSASによる圃場管理は魅力的です

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 阿南市内で、コシヒカリの早期栽培を中心に20haほど栽培しています。圃場は、3aほどの小さい圃場から70aほどの圃場まで100筆以上あり、地区も分散していて管理が大変です。近々2回目の圃場整備が計画されており、圃場も30a・50a・1ha区画に整備される予定なので、農地の割当てが済んで、条件が整えばKSAS導入を検討していきたいですね。それに、昨年、食味・収量センサ付きコンバインを導入しましたし、近い内に10haほど面積が増えることも決まっています。面積が増えるとどうしても人を雇わないといけなくなるので、若い人が仕事をしやすいようにKSASで営農を見える化できればと思います。

 GS田植機の実演会をうちの圃場で行ったときに、「すごく良い!」と感じました。まっすぐ植えたいので、朝から晩まで集中して田植作業をするため、精神的に疲れます。その点、直進キープ機能がついてると楽ですね。トラクタについても同様で、トラクタは毎日8~9時間と乗っている時間が長いので、自動操舵なら重労働から開放されると思います。WATARASについては、水管理がいちばん大変なので昨年も検討会に参加しました。ただ、費用対効果を考えるとうちにはまだ早い技術かなと感じました。良い機械はたくさんありますが、導入するには経営規模が中途半端な状態なんです。どうやってその便利な機械を経済的にもクリアして、現場の状況に応じて導入していくかが課題です。

水管理の労力軽減、夏場の高温対策に効果を発揮する
圃場水管理システムWATARAS

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 中四国地域においても、高齢化による作業の省力化は大きな課題です。春作業が忙しいことで、水管理が思うように出来なくて、収量や品質に影響が出るということもありえます。そういう意味でも、忙しい時でもきちんと水管理をしてくれるWATARASはとてもありがたいシステムだと言えます。また、労力の面を考えた場合、大規模面積であれば、かなりの軽労化が期待できます。まだ少し心配だからと圃場を見に来る等はあると思いますが、これが信頼できる状態になってくると、水管理にかかる労働時間は6割どころではなく、8割削減も可能です。

これから夏場の高温対策として、根が弱る、根腐れさせないようにするには、かけ流しが効果的です。水が潤沢にあるところでは、夜間、かけ流しをして、水温・地温が上がり過ぎないようにするのにも、WATARASなら自動で灌漑できます。

 水が潤沢には無いところでは、飽水管理、つまり湿り気を維持することが有効です。気化熱で地温が下がり、土に酸素が入りやすくなることで根腐れを防ぐことができますが、飽水管理は非常に微妙な管理が必要で、足跡水とも言いますが、少し入れてすぐ止めるという水管理は容易ではありません。そこで、額縁明きょを施工し、水口と水尻の水位を安定させて均等にし、WATARASで自動制御を行います。そうすることで、均一な水管理による飽水管理が可能になります。

・WATARAS製品情報はこちらhttps://agriculture.kubota.co.jp/product/kanren/wataras/howto.html
・お問い合わせはクボタのお店までhttps://agriculture.kubota.co.jp/dealeritiran/

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