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こんな方におすすめ!
・スマート農機に興味があるけれど、自分の環境ではどれが適しているのかわからない。
・GNSS、GPS、RTK、VRSなど、よく出てくる専門用語を理解したい。
「GNSS」ってなに?

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みちびき(準天頂衛星システム)ウェブサイトより
(2024年12月現在)
「GNSS(Global Navigation Satellite System)」とは、「衛星測位システム」の総称のことで、アメリカやロシア、日本など各国が運用する衛星測位システムのすべてを含んだ言い方です。
日本では衛星測位システムとして「GPS*」という言葉が一般的に使用されていましたが、利用可能な衛星の普及に伴い、近年では「GNSS」の呼称もよく用いられるようになってきています。
GPS*:アメリカで運用されている衛星
測位の種類と精度
GNSSを使用した測位方法は、数種類存在します。
ここでは、「単独測位」と、より高精度な測位を実現するための「補正情報」について解説します。
単独測位
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・GNSS衛星(4機以上)の信号を1台のアンテナで受信して、現在位置を測位した状態です。船舶や飛行機、自動車などのナビゲーションにも使用されています。
・農業用のガイダンスとして使用するには精度が不十分なため、クボタのGNSSガイダンスシステムでは、次に解説する「補正情報」を使用して、作業に必要な精度を得ています。
精度 | ±10m |
---|
補正情報とは
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衛星からの位置情報だけでは、衛星軌道の誤差などの要因によって、測位誤差が生じます。
直進アシスト・直進キープや簡易ガイダンス、アグリロボ、後付けオートステア(自動操舵/自動運転/精密ガイダンス)を活用するには、測位精度を高めるため、地上の基地局から発信する「補正情報」を利用する必要があります。
補正情報の配信サービスには「DGNSS(DGPS)」や「RTK」、「VRS」など数種類あり、希望する作業や通信環境に応じて選択できます。
※お住まいの地域の通信状況や「補正情報」のサービスを受ける場合など、詳しいことはお近くのクボタのお店までお問合せください。
※「補正情報(RTK、VRS)」の配信サービスを受ける場合、固定基地局の事業主(自治体・ディーラー・JAなど)や、サービスプロバイダとの契約が必要です。
補正情報の種類
DGNSS(DGPS)
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・地上の電子基準点*で計測した位置情報と、GNSSからの位置情報をもとに、準天頂衛星みちびき(QZSS)を経由して、測位の精度を高める補正情報システムです。
・RTKに比べ精度は劣りますが、通信費無料で安価に取り入れることができます。
・クボタでは、GSトラクタやGS田植機(直進アシスト・直進キープ/簡易ガイダンス)などで採用しています。
精度 | ±50cm~5m |
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本機以外に 必要な機器 |
なし |
必要な費用 | なし(無償) |
* 国土地理院が全国約1,300カ所に設置したGNSS(測位衛星)観測施設。
RTK(リアルタイムキネマティック)
インターネット方式(Ntrip)
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・自治体などが設置した固定基地局の補正情報を、Ntripサーバを使用してインターネットで配信し、専用アプリをインストールしたスマートフォンで受信します。
・精度が高く、アグリロボや後付けオートステア(自動操舵/自動運転/精密ガイダンス)を使用する際に利用します。
・近くにN-Trip方式の固定基地局がある方や、広い範囲で使用されたい方におすすめです。
精度 | ±2~3cm程度 |
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基地局からの 通信距離 |
半径10km程度(10km以上離れると精度が低下) |
本機以外に 必要な機器 |
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必要な費用 |
|
ジェンダーチェンジャー *:ケーブル接続の変換コネクタ。
Bluetoothドングル *:スマートフォンとBluetooth接続(ペアリング)するためのデバイス。シリアルハーネスを経由してスマート農機本体と接続して使用する。
デジタル簡易無線機方式

・地上に設置した基地局(移動基地局・固定基地局)から発信する補正情報を、移動局(トラクタ・田植機・コンバインなどのスマート農機)に搭載したデジタル無線機(受信機)で受信します。
・精度が高く、アグリロボや後付けオートステア(自動操舵/自動運転/精密ガイダンス)を使用する際に利用します。
・近くに簡易無線型の基地局がある方、インターネット通信がやや不安定なエリアの方におすすめです。
精度 | ±2~3cm程度 |
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基地局からの 通信距離 |
半径5km程度(森林や山などの遮蔽物がないとき) |
本機以外に 必要な機器 |
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必要な費用 |
|
※固定基地局を開局する場合は登録申請が必要です。(受信専用機器の場合は不要。)
※使用者が固定基地局を開局した場合、電波利用料、無線登録更新費が必要になります。
ジェンダーチェンジャー *:ケーブル接続の変換コネクタ。
VRS(インターネット方式(Ntrip))
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・国土地理院が管理する電子基準点のデータをもとに、移動局(トラクタ・田植機・コンバインなどのスマート農機)のごく近い範囲に基準点があるかのような状態(仮想基準点方式)を作り出し、高精度な測位を行います。
・インターネットを通じて、VRSサービスプロバイダが配信する補正情報を、専用アプリをインストールしたスマートフォンもしくは専用端末で受信します。
・精度が高く、アグリロボや後付けオートステア(自動操舵/自動運転/精密ガイダンス)を使用する際に利用します。
・基地局の設置が不要で、携帯電話でインターネットが利用できるエリアで利用可能です。
ジェンダーチェンジャー *:ケーブル接続の変換コネクタ。
Bluetoothドングル *:スマートフォンとBluetooth接続(ペアリング)するためのデバイス。シリアルハーネスを経由してスマート農機本体と接続して使用する。
精度 | ±2~3cm程度 |
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本機以外に 必要な機器 |
[スマホ利用の場合]
[専用端末利用の場合]
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必要な費用 |
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測位方式のまとめ


クボタグループでは、お求めの作業精度や地域の通信状況に応じて、スマート農機のご提案をさせていただきます。
お住まいの地域やほ場での通信状況や、スマート農機の活用に関するお悩みについては、お近くのクボタのお店までお気軽にご相談ください。
まとめ
・「GNSS(Global Navigation Satellite System)」とは、アメリカやロシア、日本など各国が運用する衛星測位システムのことを表しています。
・自動操舵や自動運転、精密ガイダンスを利用するには、専用の受信機と補正情報を取得する機器や通信契約が必要となります。
・主な補正情報の利用方法として、DGNSS、RTK(デジタル簡易無線機方式)、RTK(Ntrip方式・インターネット利用)、VRS(仮想基準点方式・インターネット利用)があり、利用する作業や通信環境に応じて選択することができます。
・スマート農機を使用する際に必要な機器・サービスについては、お近くのクボタのお店までご相談ください。