
2023年6月14日(水)、業界初※の無人自動運転コンバイン「クボタアグリロボコンバインDRH1200A(無人仕様)」のマスコミ向け プレス発表会が千葉県柏市にて開催され、100名を超える関係者にご来場いただきました。発表会後、早々に各メディアで紹介されるなど、2024年1月の発売開始に向け、注目が高まっているDRH1200A(無人仕様)とはどのようなコンバインなのか、その特長をご紹介します。
※2023年6月 クボタ調べ
目次
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ユーザーの監視下で無人自動運転が可能なコンバイン
農家の高齢化や後継者不足による離農に伴い、担い手農家への農地集積が進んでいます。その結果、担い手農家の作業負荷は大きくなっており、省力化や人材の確保、生産性向上などといった顕在化する経営課題を解決する手段として、スマート農業への期待がより高まっています。そのような課題解決に貢献するべく、クボタでは、アグリロボシリーズとしてユーザーの監視下で無人自動運転が可能なトラクタや田植機を販売しています。
「無人自動運転」には、周囲の障害物や人などを検知して停止する機能が必須ですが、一般的にほ場に作物がない状態で作業するトラクタや田植機と違い、コンバインは常に収穫対象である稲や麦がある状態で作業することから、収穫対象と障害物等を識別する機能の開発が課題となっていました。そうした課題を解決し、無人自動運転を実現した普通形コンバインがDRH1200A(無人仕様)です。

クボタアグリロボコンバインDRH1200A(無人仕様)
自動運転を開始してから収穫完了まで、コンバインへの搭乗は不要
作業手順は、まずオペレータが乗車してほ場に入り、マップの作成を開始。続いて、ほ場の最外周1周を手動で刈取り後、ルートの作成とモミ排出位置を決定。オペレータは、自動運転開始位置にコンバインを移動させてコンバインから降ります。オペレータは、ほ場付近から自動運転用のリモコンを操作して自動運転を開始。刈取作業を自動で行いながら、グレンタンクが満タンになるタイミングを予測し、最適なタイミングで指定した排出位置に自動で移動。移動後、オペレータはリモコンを操作してモミ車にモミを排出。ほ場すべてを刈り終えたら、自動で指定した排出位置に移動して収穫完了となります。自動運転を開始した後はオペレータはコンバインに搭乗する必要はありません。無人自動運転の対象作物は稲、麦。有人自動運転では、大豆の収穫も可能です。続いて、DRH1200A(無人仕様)の主な特長をご説明します。

発表会当日は100名を超える関係者が来場。
開発担当者による製品特長の説明や、旋回動作、倒伏刈り、前方の人検出、モミ排出などの実演が行われました。
アグリロボコンバインDRH1200A(無人仕様)の主な特長
刈取作業を行うほ場の「人・障害物を検出」する
作物内に立っている人や、麦の収穫作業時にほ場内に入るモミ運搬車等の車両は検出するが、収穫対象の作物や、ほ場内に入って来た鳥には反応しない機能を開発し、無人での収穫作業を実現するため、DRH1200A(無人仕様)では、人・障害物検出センサとして「人検出用のカメラ」を機体の前後左右4方向に、「車両検出用のミリ波レーダ」を機体の前後に搭載しています。

ダミー人形を用いた「前方の人検出」の実演の様子。コンバインから3m以内で人を検出すると停止します。
最外周1周以外は「無人自動運転」で刈取作業を行う
ほ場の最外周を手動運転で刈取り後、2周目からは無人自動運転で刈取りができます。機体前方に搭載した「レーザセンサ」であぜの高さを検出することで熟練者同等の旋回を実現しました。
作物の高さを検出することで「倒伏※した作物の刈取にも対応」
機体前方に搭載した「レーザセンサ」で作物の高さを検出。自動運転中に機体前方の作物高さをセンシングしながら作物の高さに応じて刈取部のリール位置と車速を自動制御し、熟練者同等の刈取りを実現しました。
※対応可能な倒伏角度は60°まで
「刈取り詰まり自動除去」による高い作業継続性
自動運転中に刈取部の詰まりを検知すると、電動刈取逆転装置により、刈取部を逆転して詰まりを自動除去して、刈取りを再開。刈取部の左側に搭載した詰まり検知センサが瞬時に詰まりを検知することで詰まりが軽く済み、自動で除去しやすくしています。
まとめ
・ほ場内の人・障害物の検出
・2周目からの無人自動運転
・倒伏した作物の刈取り
・刈取り詰まり自動除去
これらの新技術により「熟練者同等の無人自動運転」を実現。ICTとロボット技術を駆使した無人自動運転により、誰でも簡単に、楽に、上手に、刈取作業ができるコンバインDRH1200A(無人仕様)は、オペレータの負担を大幅に軽減し、軽労化、省力化に大きく貢献します。DRH1200A(無人仕様)の発売により、クボタは、トラクタ・田植機・コンバインの主要3機種で無人自動運転農機をラインアップすることになります。
また、6月24日(土)にオンラインで開催された2023クボタ新製品発表会でもDRH1200A(無人仕様)をご説明していますので、ぜひこちらのアーカイブ動画もご視聴ください。

アグリロボトラクタ、アグリロボコンバイン、アグリロボ田植機の無人運転仕様が勢揃い