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省力・低コストを実現する「鉄コーティング直播栽培」技術の特徴と普及状況のご紹介

クボタニュース2015/06/08

〜省力・低コストを実現する「鉄コーティング直播栽培」技術の特徴と普及状況のご紹介〜

省力・低コストを実現する「鉄コーティング直播栽培」技術の特徴と普及状況のご紹介

種籾の表面に鉄粉をコーティングして直播する「鉄コーティング直播栽培」。育苗や田植え時の苗運びが不要になり、低コスト化・省力化ができる技術として注目されています。技術の特徴と普及状況をご紹介します。
(この記事は、平成26年12月発行のクボタの営農情報誌『U(ユー)元氣農業 No.30』を元に構成しています)

Ⅰ米をめぐる情勢

 平成26年産の米価は、需要の減退、在庫量拡大などにより、近年になく大きく下落しました。このため、市場及び産地間競争に打ち勝つとともに、需要拡大には、生産コスト低減に努め、値ごろ感のある米価で、需要拡大や輸出促進を図る必要があります。

Ⅱ全国の鉄コーティング直播栽培の普及状況 ⑴栽培農家数及び面積

 鉄コーティング直播は年々着実に普及拡大しており、平成26年の普及状況は、導入農家数約6000戸、栽培面積10500ha(クボタ調査)となりました。

Ⅱ全国の鉄コーティング直播栽培の普及状況 ⑵東日本の普及が著しい地域

 米主産県である東北、北陸地域の普及拡大が進み、普及面積1000ha以上が宮城県、山形県と新潟県、富山県で、500~1000haは岩手県、福島県です。100ha以上はその他、10県に増えました。
 特に大規模農家や生産組織及び集団で省力・低コスト・作期分散・機械施設の効率的利用・複合営農導入など、当技術の特徴を生かした経営発展、強化の先進的事例となっています。

Ⅱ全国の鉄コーティング直播栽培の普及状況 ⑶西日本は省力・軽労化技術として普及

 小規模・高齢化の進展が見られる西日本では、高齢者の育苗、苗運びなどの重労働の解消等で、生涯現役での米作り技術として、普及拡大が期待されています。

Ⅲ鉄コーティング直播技術の特徴 ⑴喫緊の課題である省力、低コスト米生産技術

 米価下落に伴い、将来の稲作経営の維持発展を図るためには、省力・低コスト新技術を導入する必要があります。そのためには「鉄コーティング直播栽培」を導入し、当技術の特徴(メリット)を十分に理解して頂き、推進していくことが重要です。

■ 鉄コーティング直播技術のメリット
①表面点播ができ、発芽苗立の安定と茎数確保が容易で茎質が良くなります
②表面播種でも鳥害の影響が少ない
③鉄粉を粉衣してありますので、表面播種でも籾が動きません
④鉄粉衣で種子伝染性病害虫の発生が少ない
⑤育苗や移植作業がなく、省力、軽労化、低コスト米生産ができます
⑥移植栽培と組合わせると作期分散により、機械施設の効率的利用ができます
⑦鉄資材は安価で、農閑期に粉衣作業ができ、鉄粉衣もみの長期保存が可能です
⑧春作業の労働ピーク解消により、園芸などとの複合営農が容易になります
⑨播種―施肥―除草剤散布などの機械同時作業ができ、1日当たりの作業面積は移植栽培の倍以上、一人で可能となります
⑩小規模高齢者や規模拡大農家、生産組織、集団の稲作経営の二極化に対応できます
⑪専用播種機での播種が最も安定ですが、他にも多様な播種方法ができます(手散布、散粒機、動力散布機、ヘリ散布)

Ⅲ鉄コーティング直播技術の特徴 ⑵導入成果の状況

 実演・実証開始から今年で10年目を迎えますが、今までの成果では、従前の移植栽培と比較すると10a当たり労働時間が67%、投下コストが23%削減できました。また、収量では、移植栽培と同等の区が大多数を占めるというように年々安定してきています。

Ⅳ鉄コーティング直播機と資材の開発 ⑴点播播種機の開発状況

 点播播種機は「直播専用機」と「汎用機」があります。直播専用機は4条・6条があります。汎用機は6条・8条があり、移植栽培と併用できます。

Ⅳ鉄コーティング直播機と資材の開発 ⑵関連機器材の開発状況

 手動・自動タイプのコーティングマシンがあり、1回当たり5㎏、10㎏、20㎏、30㎏、40㎏(乾籾重量)のコーティング能力があります。
 酸化被熱を自動で行える酸化調製機も最大50㎏(乾籾重量)に加え、最大500㎏(乾籾重量)と100㎏(乾籾重量)処理能力のある大規模装置があります。

Ⅲ鉄コーティング直播技術の特徴 ⑵導入成果の状況

 播種同時除草剤は、現在3剤が開発・市販され、年々開発普及拡大が見込まれています。西日本を中心に発生している「スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)」の防除薬剤が、4剤市販されています。また、播種同時初期病害虫防除薬剤が、平成27年から使用可能になる見込みです。
 生育促進、倒伏防止など新たな資材の実証試験が行われ、直播栽培の課題解決が進み、安定化がさらに加速されます。
 昨今の米政策を踏まえて、主食用米のほか、加工米、飼料用米、WCS用稲など低コスト生産が必須な戦略作物等の栽培技術として、さらに普及拡大が見込まれています。
 クボタが目指す「播種したら収穫(コンバイン)」機械化一貫作業体系を実現する技術として、今後の更なる展開をご期待ください。

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