栃木県足利市を拠点に、北関東一円のおよそ100軒の耕種農家と連携、総面積150haで飼料イネの刈取りを受託するコントラクタ事業も行っている株式会社鶴田ファーミング。刈り取った飼料イネはホールクロップサイレージに調製後、繁殖牛300頭を飼養する自家で消費する他、畜産農家への販売も行う耕畜連携を実践しています。
同社における飼料イネの刈取りに活用されているのが、㈱タカキタ社製のホールクロップ収穫機。同機により飼料イネの刈取り、細断、ロール成形が行われ、でき上がったロールをラッピングして、ホールクロップサイレージに調製しています。
現在、同社で3台が稼働中という、最新のホールクロップ収穫機WB1040DXについて、㈱鶴田ファーミングの代表取締役、鶴田一弘様にお話しを伺いました。
細断型ホールクロップ収穫機WB1040DX
ユーザーインタビュー
150㎝の長稈もスムーズに飲み込み、
しっかり細断してくれます。
㈱鶴田ファーミングでは現在、最新型のホールクロップ収穫機WB1040DXの他、同機の1型式前のモデルも現役で稼働しています。そのため、両機の能力について実作業を通じて比較することができ、WB1040DXが現場のニーズに応じていかに進化したかがよく分かったと鶴田さんは言います。「まず、いわゆる長稈品種への対応ですね。現在飼料イネは、収穫時に草丈が150㎝程になる長稈品種が主流なんです。以前の機械は、それを刈り取れない訳ではないけれども、これを無理なくベーラーに取り込んで、同じ長さに細断してロールにするという面では、若干不十分なところがありました」。細断しきれずにイネの長さがバラバラになると、その後の発酵にもムラが生じ、サイレージの品質にも影響が出てしまうのだという鶴田さん。「その点新しい機械だと、刈り取った飼料イネを成形室に取り込む『飲み口』が広いので、取り込みがスムーズ。細断用のカッタの枚数も増えたので、しっかりと細断してくれます。このようにきちっと細断できていれば、ロールの圧縮密度も上がりますし、結果、サイレージの品質安定にも繋がります」と鶴田さん。自家で消費するだけでなく、畜産農家にサイレージを供給する立場でもある㈱鶴田ファーミングにとって、この高いレベルでのサイレージ品質の安定は、WB1040DX使用の何よりのメリットであるといいます。また、「これはもう少し継続して使ってみないと分からないところでもありますが、十分に細断できることで、機械の負担も軽減されると思います。うちではどうしても長時間使用することになりますから、その辺りの差も大きくなるのではないでしょうか」と、鶴田さんは前モデルからの大きな進化を実感しています。
刈取後すぐにロール成形する『ダイレクト方式』が
飼料イネにはベストの方式です。
12年前、㈱鶴田ファーミングが飼料イネの栽培に取り組み始めた当時は、刈り取った飼料イネを予乾した後集草し、ロールに成形する牧草体系同様の方式の機械もあった中、同社では一貫して、タカキタ社製のダイレクト方式のホールクロップ収穫機を使い続けてきました。「刈り取った飼料イネをほ場に落とすことなく、ダイレクトにロール成形できる現在の方式の方が、総合的に見て優れていると判断したからです。まず、モアで刈り取って予乾し、集草してからベーラーでロール成形する体系に比べて、作業工程が3工程ほど少なくて済みます。当然作業時間も短くなりますよね。さらにダイレクト方式なら、収穫機に1人、ラッピングに1人、最低2人で作業できるところ、ベーラー方式は3人から4人は必要。後はやはり天候の問題です。予乾してる間に雨が降ってしまえば、また一からやり直しになってしまいますし、品質にも影響が出てきてしまいますから。また品質ということで言えば、一度ほ場に落として、予乾してからロール成形すると、どうしても空気が入りやすい。空気が入るとカビの発生に繋がりますので、そうした面から考えても、やはりダイレクト方式がベストかな、と思いますね」と鶴田さん。こうした信頼の元に、㈱鶴田ファーミングでは現在も、新旧合わせて6台のホールクロップ収穫機が活躍しているといいます。
現状既に150haという大面積で飼料イネの収穫を展開している㈱鶴田ファーミングですが、「まだもう少し増やしたいと考えていますし、機械的な余力もまだあります」と言う鶴田さん。「今、無人仕様のコンバインも出てきていますし、いずれこうした機械も無人になっていくんでしょうね」とホールクロップ収穫機のさらなる進化にも期待しています。
細断型ホールクロップ収穫機 WB1040DX
【飼料イネの刈取り・細断・ロール成形がスピーディに行える!】
●ホールクロップ収穫システム
飼料イネをダイレクトに収穫し、細断した後、直径100㎝×幅85㎝のロールに成形、排出します。
●草丈150㎝の長稈品種に対応
草丈65㎝の短稈から草丈150㎝の長稈まで対応が可能です。
●細断・混合でムラなく高密度梱包
ディスクカッタで理論切断長3㎝に作物をカット。ダブルディスクにより穂先と株元を混合するので、ムラの少ない高密度な梱包が行えます。
●湿田作業に強い
自動刈高さ制御、自動水平制御(4PC)、ワイドクローラにより、湿田でも安定した作業が行えます。
●添加装置標準装備
乳酸菌を自動的に噴霧する添加装置を標準装備。乳酸発酵を促進します。
●便利な機構を多数装備
各種設定が運転席で簡単に行える「コントロールBOX」、ほ場でロールの質量が測定できる「ベール簡易質量測定装置」、モニタでロールの排出状態が確認できる「バックモニタ」等、便利な機構を多数備えています。
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