愛知県豊橋市で特産のブロッコリーを専作する尾崎さんは、ブロッコリーが大きく育つ生育後期以降、適期に思うような管理作業ができないことに不満を抱えておられました。そこで、葉の背丈が高くなっても最適なタイミングで何度も管理作業が行えることを目指して導入したのが、十分な地上高を備えるクボタの乗用管理機「ナビライダー」です。尾崎さんがナビライダーを活用することで、栽培や作業の面でどのような良い変化があったのか、お話をお聞きしました。
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これまでは生育後期の管理作業に課題
尾崎さんは現在、2.6haの面積で32品種のブロッコリーを組み合わせ、10月から翌年6月まで、出荷を行っています。管理作業は、これまでクボタの乗用管理機JB13X-HC(ハイクリ仕様)で行っていましたが、最低地上高に物足りなさを感じていたと言います。「品種によっては生長が早いものがあり、2回目の管理作業の際にブロッコリーが、機体のフレーム部分にあたって、倒してしまうケースがありました」。茎が曲がったり傷んだりするなど、品質が著しく低下する要因になることから、優先して解決したい課題でした。
理想的な管理作業ができる機械を追い求めるなかで、尾崎さんが出合ったのは、最低地上高が650㎜のナビライダーでした。「展示会で試乗して、作物に干渉しないほどの十分な高さがあることが確認できたので、買い替えを決断しました」。
妻と2人でブロッコリーを栽培する尾崎義男さん
品種特性に合わせた丁寧な管理で品質が安定した
尾崎さんは2023年12月から、ナビライダーを活用しています。作業はJB13X-HCに装着していたキュウホーの除草カルチと肥料散布機を、ナビライダーに引き継ぐ形でそのまま使用しています。尾崎さんは、ナビライダーで作業するようになって、4回、5回と管理作業ができることに加え、品種の特性に合った作業が行えることにメリットを感じています。
「ブロッコリーは寒くなって肥料が切れてくると、花蕾が赤くなります。同じようにアントシアンフリーのブロッコリーも、花蕾が黄色く変色します。そうなると、見栄えが悪くなり商品価値が落ちるため、収穫まで肥料が切れないよう、適期にきめ細かい管理作業を行うことが肝心です」。
普段から天候やブロッコリーの生育を、つぶさに観察、状況判断をしていると言う尾崎さん。「ナビライダーであれば、ブロッコリーの背丈を気にせず気づいたタイミングで追肥ができ、生育が悪い場所に絞ってピンポイントに追肥もできるので、生育が揃うようになりました。乗っていて高さがあるので、作物が良く見えますし、こまめに管理できるようになった分は、品質が上がったと実感しています」。
ナビライダーは最低地上高が650㎜と十分な地上高を確保。背丈の高いブロッコリーなどの中間管理作業にピッタリ。公道走行ができ移動効率が高いことも、適期作業を行う上で大きなポイントに
17馬力のナビライダーにキュウホーの除草カルチとジョーニシの肥料散布機を共着。時速6kmのスピードで作業。約20aの面積を10分ほどで仕上げた
無段変速で運転がラク。作業に合わせて操舵モードを使い分け
ナビライダーは、作業に合わせて4つの操舵モードと「自動モード」をボタンで選択できます。尾崎さんも操舵を使い分け4WS(4輪操舵)を中心に、作業する場面によって自動で操舵方式が切り替わる「自動モード」も使って作業をしています。お話を伺ったほ場で、枕地が狭く旋回しづらい場所では、RWS(後輪操舵)を活用し、作業の効率化に努めていました。「バックで長距離を後進する際もRWSを使っています。後輪が動いてくれるので運転がラクです」。
また、操作面で尾崎さんが評価するのが、レバー1本で変速と前・後進の切り替えができるノッチ付グライドシフトです。「足を使って操作する必要がなく、前を見てるだけでいいので運転に集中できます。今は乗用車をはじめ大型トラクタもオートマチックですよね。気を使わなくてすむからラクですよ」。
ハンドル手元に配置された、操舵モード切替スイッチ
RWS(後輪操舵)を使う尾崎さん。後輪だけで操舵するので、作物を傷める心配も少なくバックもスムーズ
枕地旋回は前・後輪が同じ軌跡を通る4WS(4輪操舵)を使って小旋回する
農業を長く続けるためのナビライダー
「ナビライダーで作業するようになって、妻が一番喜んでいると思います」と、笑顔で話す尾崎さん。「と言うのも、これまで2回目以降の管理作業で乗用管理機が入れない場合は、妻が追肥をしていました。歩いて肥料を振っていたので、その作業がなくなった分、ラクになりました」。以前は何十㎏もある重たい肥料散布機を背負い、ほ場を何往復もする必要がありましたが、今では管理作業の8割ほどが機械化できているそうです。
「規模拡大というよりは、長く農業を続けていくためにラクに作業ができることを重視して、ナビライダーを選んだ背景もあります」。今後は無理のない面積で、安定した収量・品質をキープし、収益を確保していきたいと話す尾崎さん。その想いにナビライダーは、しっかりと応えています。
尾崎さんは「経営を安定させることが大事です。ムダに肥料を散布するのではなく、必要な量を必要な時期に狙って散布できる、こういう機械が欲しかった」と話す