クバンランドの播種機で、播種精度の向上と発芽率向上へ お気に入りに追加
クバンランドインプルメント ユーザーインタビュー
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丘陵地のほ場での輪作が織りなす"パッチワーク"の景観が訪れる人々を魅了する、北海道・美瑛町。観光のまちとして有名ですが、小麦やばれいしょ、大豆等の輪作から、酪農、野菜、水稲まで、農業が盛んなまちでもあります。祖父の代からこの地で農業に取り組んでいる佐藤農園の佐藤仁昭様は、クボタ農業機械とクバンランドを活用して春播き小麦、秋播き小麦やばれいしょをはじめとする様々な作物を生産。農業と観光の共存にも積極的に取り組んでいる佐藤様に、クバンランドのバキュームシーダー「オプティマ」およびシードドリル「エアシーダーDA」導入の背景と、その効果についてお伺いしました。

反収を重視する中で、播種精度・発芽率向上が課題に

佐藤さんが農業を営む美瑛町は、高低差のある畑が続く丘陵地帯。平地と比較すると、どうしても大型機械の導入などの点で条件が劣ると思われがちですが、佐藤さんは、「地形的、環境的な問題はあっても、反当たり面積の収穫量は一律で、穫った者勝ちですよね。そこで勝負しようと思ったんです。」と、反収の向上のために様々な工夫をこらしてきました。
2017年には、加工用ばれいしょの高反収部門で受賞されたほか、2020年には北海道麦作共励会 春小麦 個人最優秀賞や北海道知事賞も受賞されています。
そんな佐藤さんが、さらなる反収の向上のための課題と感じられていたのが、播種精度の向上。種が正確に落ちないと、発芽せず、収量の減少につながってしまいます。また、佐藤さんは、美瑛が丘陵地であることもあり、特に北側の斜面では日当たりが悪くなるといった条件を克服するため、一部の春播き小麦を「初冬播き」で作付けされています。それにより雪解け時、傾斜面により耕起作業タイミングの差が生まれることを未然に防ぎ、収量も品質も良くなるところにも期待されています。しかし、最近は11月に雨等が降ると畑が乾きにくく、土壌水分が高い状態で播種作業を行うと、タイヤの後ろの部分の土壌表面が踏圧で硬くなり、発芽率が悪くなることが課題となっていました。

佐藤農園 代表 佐藤仁昭さん 耕作面積:60ha 作付面積 小麦:28.5ha〔秋播き、春播き(初冬播き)、春播き(種子用)〕、ばれいしょ:10.2ha〔加工用、澱粉用〕、大豆:11.7ha〔加工用、種子用〕、スイートコーン:5.0ha〔加工用〕

クバンランドの播種機「オプティマ」で、播種精度が向上

播種作業の効率化と播種精度の向上のため、佐藤さんが選ばれたのがクバンランドのバキュームシーダー「オプティマ」とシードドリル「エアシーダーDA」の2機種。1回あたりの種子や肥料の投入量が多いので、補給なしでかなりの面積をこなせるようになり、格段に能率が上がったそうです。
課題だった播種精度も向上しました。「以前の播種機では、ちゃんと播種できたかどうかは発芽した時点までわかりませんでした。真空播種機の「オプティマ」は、種子が通過しなかったらセンサーが鳴り、どのユニットから種子が落ちていなかったか分かるので、後から手作業で修正ができます」。播種精度の向上は、播種量や種子代の削減にも繋がっています。「例えばスイートコーンの種子を購入する時は10a当たり6500粒程度の播種量で頼んでいましたが、それは種がちゃんと落ちなかった場合のことを考えた、多めの播種量です。オプティマは1粒ずつ確実に播種できるので、結果的に10aあたり4000粒程度の播種量で済み、かなりの経費削減に繋がっています」。

真空播種機「オプティマ」はM135GEのパワクロで活用

パワーハロー+エアシーダーDAで発芽率の改善に挑戦

「初冬播き」の播種作業で課題となっていた、土壌水分が高いとタイヤの後ろの部分の土壌表面が踏圧で硬くなり、発芽率が悪くなる課題も、「クバンランドのパワーハロー+エアシーダーDAのセットで改善できる」と佐藤さん。初冬播きの場合、雪の重みで種が刺さることで鎮圧になるので、種を「播く」というよりは「置く」というイメージで播種をされてきていましたが、パワーハロー+エアシーダーDAで理想的な作業が可能になると言います。「トラクタがタイヤで走った後、パワーハローで砕土してタイヤ痕を消す。その後に続けてエアシーダーDAで播種をする。鎮圧は使わないので後ろのレーキだけを引っ張っていけばOKです。このセットは、輪作も含めて自分がやろうとしている農業に適したセットになっているんです。今年導入したばかりですが、来年の雪解けでどういう状況で初冬播きが発芽してくるか楽しみです」と期待を込めてお話しくださいました。

春播き小麦(初冬播き)の作業で活躍が期待されるパワーハロー+エアシーダーDAはM7に装着。フロントパッカーも装着し、コンビ作業を行う

クボタ×クバンランドのマッチングで、モチベーションもアップ

トラクタ、普通形コンバイン、そしてユーティリティビークルまで、様々なクボタ製品をご愛用されている佐藤さん。クボタを選ぶ理由を「簡単に言えば誰でも乗りやすいところ。大きすぎず小さすぎず、そして旋回能力の高いところ。美瑛の傾斜地帯で使う上で、バランスが良く、能率よく作業できるんです。特にパワクロのラインアップがいいですね」とお話しくださいました。
作業機の多くはクバンランド。「先輩農家にインプルメントを1つのメーカーで揃えている方がいて、かっこいいなって思っていたんです。それで、ウチはクボタだからクバンランドでいくか、というのがはじまりです。もちろん僕らの地形や土壌環境に合っているという理由は大きいです。僕らの畑の一部は、結構土の中に石があるんですが、そういう環境に対しては、プラウやサブソイラが、砕土性の悪い硬い土のところではパワーハローがすごく活躍してくれています」。

精度高く、作業能率の良いトラクタ作業は、インプルメントとトラクタのマッチングがあってこそ。クボタの農業機械とクバンランドで揃えるということは、モチベーションアップにもつながると佐藤さん。「ある意味、それも仕事の活力になっているんです。頑張ってコンプリートしようって、一つの目標になるわけじゃないですか。それによって農業、頑張ろう!ってなりますね。」

サブソイラやプラウなど各種土耕機が揃う

上空から見る佐藤農園のほ場。丘陵地に、縦傾斜、横傾斜のほ場が広がる

農業を、そして地域を次世代につなぐ

栽培のこだわりについてお尋ねしたところ、佐藤さんは「僕らはまず、土を作るのが仕事です。土さえできていれば、何を作っても良く育ってくれます」と、土づくりの重要性について話してくださいました。また、土づくりは、昨日今日何をしたかだけではなく、今まで何をしてきたかが大事だという佐藤さん。「祖父の世代、父の世代から、土づくりにきちっと時間とお金をかけてきた成果が今、僕の世代で出ているんです。家族経営ってそういう風に繋がっている面もあると思います」と語ってくださいました。
また、佐藤さんは観光事業者のサポートや情報交換にも取り組んでいます。「美瑛は農業のみならず、観光という魅力がある。多くの人が訪れ、移住者も多数います。様々な課題もありますが、そうした動きを支えていくには、観光事業者を農業でサポートするという形が良いと思います。僕らが作るもの、それが理由で美瑛を訪れる。そういう魅力作り、そして町の活性化に繋げられたらと思っています」。佐藤さんは、今、自分が取り組んでいることは、ある意味「次世代」のためだとも考えています。「僕ら経営者の成功は、最終的には後継者を作ること。なので、それに向けた魅力作りと環境作りが必要です。まず、自分の置かれた環境を好きになることです。美瑛で経験を重ねていくうちに、傾斜には傾斜のメリットがあることも分かって、結局ここで花を咲かせばいいだけの話なんだと思うようになったんです。置かれた場所で咲きなさい、ってことだと思いますね」と、ご自身の取り組みへの想いを語ってくださいました。

佐藤さんの営農をサポートする、北海道クボタ美瑛営業所の瀧野係長と。美瑛の四季と愛犬が描かれたフラッグを広げていただいた

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