技術を要するうね立てを中心に作業の省力・軽労化を望む野菜専作農家のニーズに応える、直進アシスト機能付き小型トラクタ「NB21GS」。今回はレタスの一大産地、長野県のお客様にお話しをお伺いしました。
NB21GSユーザーインタビュー
有限会社トップリバー様
後ろを気にしなくてよくなるので精神的な負担が減り、
能率の良い仕事ができる
レタスの出荷量が175,600tで全国1位(農林水産省 令和2年産野菜生産出荷統計)の長野県。県東部に位置する佐久地域は、主産地の一つです。同地にレタスやキャベツ等の高原野菜を生産し、「儲かる農業」を実践しながら「儲かる農業経営者」の育成に取組む、農業生産法人 有限会社トップリバー(以下、トップリバー)があります。
2020年入社の稲葉さんは、元自衛隊員。農業で独立したいと、トップリバーに入社しました。「トラクタに乗り始め、1年未満」と話す稲葉さんがこの時期に行うのが、うね全体をマルチシートで覆う全面マルチ作業で、高い技術を要します。「隣のうねに合わせマルチを張りますが、ずれるとうねを削ったり、逆に離れ過ぎると上手くマルチが張れないんです。そのためハンドルを細かく制御し調整しますが、慣れないと失敗しやすく神経を使います。」
加えてほ場は緩やかな傾斜を伴うため、「目を離した隙にハンドルがずれ、作業機や後輪の動きが変わり、気を使うことが多い」そうですが、作業が長時間に及ぶと「集中力がなくなる」と言います。トップリバーでは3月から8月末までの約半年間、マルチ作業が続くため、大変な作業となっています。
この日初めて、直進アシスト機能を使用した稲葉さん。「操作や設定がシンプルですね。ハンドル操作も必要なくなるので、もう前を気にしなくていい。精神的な負担も減って、能率良く仕事ができると思います。作業の途中でずれたのでちょっと使い始めは怖かったですが、作業中に補正スイッチで軌道修正ができるし、GSトラクタは使えると思います。」
経験問わず、作業できることが大事ですね
トップリバーの2つある農場の一つ、御代田農場の農場長、高見沢さん。「農業を一生の仕事にしたい」と、4年前(2018年)に入社しました。「僕を含め独立志望の社員が3名、パートさん6名のチームで今年は玉レタス、グリーンリーフ、サニーリーフを12.5ha栽培。大手外食チェーンや大手コンビニエンスストア等が、エンドユーザーになります。」
マルチ作業は作物の生育に影響を及ぼすため、稲葉さんと同様に「気にする所が多い」と高見沢さん。「定植後、防除をしますが、うねが曲がると作業しづらく、防除が不十分になる。病気に掛かりやすくなって、ロスが出るんです。曲がり過ぎると、本来うねが3本立てられる所で2本しか立てられないとか。そうなると収量が減り、売上が下がります。また、マルチを剥ぎ直す必要が出て、余分に資材費が掛かります。」世界的な原油高騰のあおりを受け、マルチング用のビニール資材代も値上がりする中、正確な作業を行い、無駄なコストは抑えたいところです。
「僕のチームは、オペレータが3名。新卒で就農したスタッフや、異業種からの転職者が多く、入社後初めて機械操作をすることが多いです。稲葉さんも入社3、4ヶ月目にトラクタに乗ってもらいました。マルチ作業は、3~4年経験を積まないと難しいですが、直進アシスト機能があるおかげで、新人でもできるのが良いですね。能率が上がって、例えば1日に予定した面積より多く作業できれば、空き時間で他の作業ができ、休憩もできる。人件費も削減できます。あと、機械操作を教える手間も少し省けますね。」経営者視点から見ても、メリットはあると言います。
来年、祖父母が栽培していた特産の干し柿「市田柿」を手掛けたいと、独立予定の高見沢さん。「トップリバーの企業理念である、農業を通じて人々を幸せにしたい」と意欲的です。稲葉さんも独立後、レタスやキャベツ等の葉物野菜を栽培していきたいと、夢を膨らませます。未来の農業を担う、情熱溢れる若い二人の今後の活躍が期待されます!