脱・江戸時代農業。
KSASに蓄積した根拠のある営農データを活用

今の農業は江戸時代の人が馬の代わりにトラクタにまたがっただけそれをKSASで変革
お父様から引き継がれたF様さん。今までのF農園の農業ポリシーを守りつつ、そのノウハウのデータ化にKSASで取り組まれようとしています。

色分けマップ 何がどこに、一目瞭然
KSASを使って一番便利だなと思うところは、色分けできる圃場マップですね。こうやって色分けされるのでどこに何があるのかというのが一目でわかる、それがいいです。水稲は筆が多くてデータがとてつもない量になるので、それを管理するのにKSASが大いに役立っています。
使い方としてはスタッフは朝KSASをPCモニターで確認し、現地ではスマホで細かい作業の確認をしているようです。例えば野菜だと施肥量が圃場によって異なるので、その確認で使っていますね。とくに新人のスタッフとかは作業場所もスマホで確認していますね。地図だけじゃちょっと分かりづらいので。こうして現在地が出るので間違わずに行けるのでしょうね。

色分けで枚数の多い圃場を識別

苗箱を置く場所までもMAPに明記
苗を置く場所 そこまで見える化
この赤いピンは、水稲の苗を配達する場所なのです。この辺りはもう我々の住んでいるところからだいぶ遠いので、こうやって圃場マップに落としておかないと分からなくて。田んぼの指定された場所に届けるんですよ。この田んぼのこの辺りに何枚と指定されて。ですから苗を下ろす場所に赤いピンを立てて「顧客名」と「米の品種」と「苗の枚数」と「配達日」を登録しています。電子マップだからこそやれるのでしょうね。おかげで場所の間違いは聞いていないです。また、新しいところも増えてくるので、その時はもうKSASがないと困りますね。
特効! 農薬リスト速効! ニュースリリース
僕が一番よく使うのは農薬検索機能なんです。KSASの農薬リストでネギの殺菌剤とかを調べて、新しいものがないかをチェックします。農協の暦にない農薬も出てきてくれるので助かっています。それである程度リストアップしたものをプリントアウトして、これから良さそうなやつを選んで使ってみればという感じでネギの管理担当者や施設の担当者にバトンタッチします。また逆に施設の担当者から今「べと病」が出ているからどの薬を買ったらいいですかという問いかけがあった時には、KSASでざっとリストアップして、こんなのがあってこの中から僕はこの辺りがいいと思うんだけど、という感じでアドバイスします。さらにKSASの農薬リストの鮮度というか、新しい農薬が載っているのがありがたいです。去年までなかったけれど見たことがない除草剤があるとかで探しました。それで今年は助かりました。ネギの除草剤が増えていたんですよ、この2年ぐらいで1個ずつ。そういう情報が回ってくるのは農協とか普及所からより、こっち(KSAS)の方が早いのでこっち(KSAS)で調べています。毎年作付け前に、新しいものがないかって。農薬の使用面でスタッフみんなに言っているのは、農薬は扱いが厳しいので、振ったら絶対にKSASに登録してね、そこまでが農薬散布の一連のセットの作業だよ、って口酸っぱく言っています。
結果のわかるコンバイン 食味収量コンバイン
食味収量コンバインって言うんですか、それ試乗で使わせてもらいました。収量が知りたくて、僕ずっと使いたかったんですよ。筆ごとの収量ってなかなか分からないじゃないですか。こうやって面積が増えてくると、全部で何ha刈って5トンあったから、割っていくらみたいな。そんなんじゃなくて筆ごとの出来が知りたいので。実際使わせてもらって、思っていたのと結構違うなというのもありました。また、タンパク値とかも見てびっくりしましたね。今年は全体にタンパク値が高かったみたいですけれど。僕は7から8の前半ぐらいだろうと思っていたら、結構8の後半ぐらいまでいっていて、だいぶ高いなと。それに対する改善としては追肥の仕方とか、量とか変えていこうかなと考えています。食味収量コンバインの購入は前向きに検討中です。道中のデータも取れるようにいろんな機器を入れていますけど、やっぱり結果がわからないとだめですよね。
“ディオニス”コンバインで働き方改革!?
新しく出た直接通信ユニット搭載機のディオニスコンバイン。あれは本当に便利が良さそうで欲しいんです。作業日誌を自動で作ってくれるのが魅力的です。日誌をいちいち入力するのは面倒くさいですからね。機械が勝手にやってくれるんだったらそんな気も使わなくていいですし、スタッフも作業に集中していればいいので楽でいいですよね。それに忙しいじゃないですか。稲刈りの時期。なるべく負担を減らしてあげたいので、機械ができることは機械がやった方がいいと思っています。
先手が打てる 故障の予防ができる
アワメータによって消耗部品の交換時期を教えてくれる機能はとてもいいと思います。もし交換せずにいて、それが原因でコンバインが1日ストップしてしまったら…。乾燥機もストップしますし、それに対応する人間も強制的にお休みになって、そのしわ寄せが後でどっとやってくるので。しかもうちの乾燥機はお客さんの乾燥もしているので、そうすると全部の日程が狂ってきてしまう。だから機械の故障はできるだけない方がいい。先手の打てる、故障の予防ができるコンバインがいいですよね。それが今度のディオニスっていうコンバインですよね。
永年の根拠ある営農データ ビッグデータ収集への体制
KSASで何年もデータを入れていって、例えば収量を入れていくじゃないですか。追肥の段階で今年はこの年と似ているよ、みたいなのがわかったら、この年例えば乳白ばっかりで収量が全然なかったというデータにたどり着く。そうすればそれに対応するアプローチがこちらもできるじゃないですか。そういうのができるといいなと思って、なるべく大きい、なるべくいっぱいのデータをとっていきたいなと思っています。父から私に代替わりした時困ったことのひとつに…なんでこの量をこの時期にやっているのかということが明確な根拠がなかった。記録もそんなになかったし、これでいいのかなと思いながら農業をしている。そういうあやふやなのが気持ち悪くて。気持ち悪いまま、あやふやな指示を下に出すのも責任者としては違うと思っているので。なるべくKSASに蓄積した根拠のあるデータが欲しいなと思って、最近はデータを取れる体制にしたいなと思っています。そのためにもKSASによるデータ収集に期待しています。

トラクタに跨る江戸の武士 脱・江戸時代農業
今までの農業は、悪いわけじゃないけど勘と経験の農業。僕は父にそれは江戸時代の農業だよって言っています。江戸時代の百姓が馬を使っていたのが、トラクタとかコンバインになっただけで、人間は江戸時代から進歩してないよ、そんな江戸時代農業は早くやめた方がいいよっていうのが、最近僕と父の中で話が出ます。それが脱・江戸時代農業ですね。
※取材当時の内容をそのまま掲載しているため、現在のKSASとは異なる点もございます。ご了承ください。