稲作・畑作まで幅広い農家の皆さまの経営課題解決に貢献する、直進アシスト機能付きGSトラクタ『Slugger GS』。今回は、水稲の種子生産を行うお客様にインタビュー。一般生産よりも、厳しい栽培管理が求められる種子生産において、Slugger GSをどうお役立ていただいているのか、お話をお伺いしました。
※コロナ感染拡大防止のため、今回はオンラインで取材させていただきました。
今のトラクタにはない、新しい魅力を感じて導入
岩手県奥州市で水稲3.5haを栽培する、川口勇幸さん。そのうちの2.5haで、種もみ(水稲種子)生産を行っています。生産する品種は、県内で最も多く生産される『ひとめぼれ』と、2017年にデビューした県産最高級ブランド米、『金色の風』の2種です。「種子生産は40~50年前に父の代からやっていて、今は私が跡を継いでいます」。川口さんが20歳の頃、お父様がお亡くなり以降、県職員と農家の2足のわらじで家業を守ってこられました。腰を据え「大好きな農業」に取り組んだのは退職してからです。
そんな川口さんがSlugger GSを知ったのは懇意にする、みちのくクボタの担当セールスとの会話の中から。「最初、良いなとは思ったんですが、4~5年前に購入した44馬力のパワクロも現役でしたし、30馬力のトラクタもあったので、すぐに導入とはなりませんでした。でも、担当の昆野さんから詳しい話を聞くうちに、やっぱりSlugger GSに乗り換えたいなと気持ちが動いたんです」。大きな決め手になったのが、「面積が大きい田んぼでも、ムラなく均平に代かきができるということ。もう一つは、1人で作業を担うため、作業の省力化が図れることでした」。
ムラのない均平なほ場づくりに、直進アシスト機能が役立つ
昨年の2020年、4月にSL600GS-SPを導入した川口さん。クボタ130周年アニバーサリー機で、オレンジメタリックの塗装が施されています。「この色に惹かれました。カッコいいですし、田んぼでも目立つのが良かったんです」。
最初に作業したのは、長年課題に思っていた代かき。「実際に作業してみると、すごく良かった」と期待以上の効果が得られたことに満足されています。「代かきは田面を均平するため、真っ直ぐトラクタを走らせる必要があるのですが、水を張って作業するために、どの場所を代をかいたか分からなくなるんです。しかも、直進距離が100mもあるので、ますます難しい。だから重複して作業したり、逆に上手く代をかけていないなんてこともありました」。
それがSL600GS-SPで作業することで、一気に解決したと言います。「直進時はトラクタ任せで真っ直ぐ作業できるので、後ろの作業機を見て、耕うん深さをきめ細かく設定することに専念できるんです」。大きいほ場だと、土の状態が場所によって異なるため、必要に応じて耕うん深さを調節する必要があります。「代かきは深すぎたり、浅すぎたりするとダメ。同じ深さを保つことが重要なんです。というのも稲刈り前に雑草が出ることがありますが、雑草が出ないようにするには、代かき時に田面を均一にし、除草剤をしっかり効かせないといけません」。
除草剤は散布後、田面水中に拡散し処理層をつくります。雑草が処理層に触れることで除草効果を発揮するため、均平なほ場づくりは不可欠。さらに、代かきを丁寧に行うことで水持ちが良くなり、除草剤の残効も期待できます。「安全・安心な種子生産を第一に、可能な限り除草剤は使いたくないですからね」。良質な種子を安定供給したい川口さんの想いに、直進アシスト機能がしっかりと応えています。
作業のムダが省け、スケジュールに幅を持たせられる
「作業の重複がなくなったことで、ムダが省け効率も上がった」と喜ぶ川口さん。次行程の位置合わせが簡単にできる簡易ガイダンス機能も重宝しています。「立てた計画に沿って作業する中、少しでも早く仕事が終われるのが良いんです。私たちの仕事は、どうしても天候に左右されます。今日のうちに急いで作業を終わらせたい場合、ムダな作業をしなくて済むとなるとありがたいですね」。スケジュールに幅を持たせられるようになったと言います。
また、能率が上がったことで、突発的な作業の請負もできるようになったそうです。「急遽、入院することになった近隣の農家仲間から、1ha手伝って欲しいとお願いされました。今までだと引き受けるのは難しい作業でしたが、今はSL600GS-SPがあるのでやれます。周りの方は私がSL600GS-SPを買ったのを見ていて、良いトラクタを買ったんだから、私に頼んだらいいんじゃないかと言われているみたいです(笑)。実際に関心のある方なんかは見に来られて、自分だと難しい作業をこのトラクタでやって欲しいとお願いされたこともあります」。
Slugger GSで健康的に作業できる!
川口さんがSL600GS-SPを導入して、最も嬉しかったことを教えてくれました。「健康的に作業できるようになったことです!一人で作業しているので、お昼休み以外、朝から晩まで作業に追われます。エアコンを効かせて作業をするのですが、それでも日差しが強くて...」。作業を優先するあまり、水分補給もままならず熱中症になって、病院に運ばれたこともあるそうです。「SL600GS-SPだと直進中、ハンドル操作をトラクタ任せでできますから水分がこまめに取れ、快適に作業できます」。
農業が抱える様々な課題を解決する一手として今、ICTやロボット技術を活用したスマート農業が注目を集めていますが、Slugger GSもその一つ。スマート農業を導入するメリットの一つに、「きつい作業、危険な作業からの解放」があり、Slugger GSはこの課題解決に寄与していると言えます。
今後、川口さんが挑戦してみたい作業に、あぜ塗りと肥料散布があります。「真っ直ぐなあぜが塗れると草刈り作業がしやすいですし、肥料散布はムダ撒きがないのが良いですね。肥料が多すぎると生育が良すぎて倒伏したり、少なすぎると生育が良くなかったり。肥料ムラのない均一な散布をすることで生育も揃います」。揃いが良く充実した籾が良質な種子とされることから、米の品質向上につながるSL600GS-SPに大きな期待をしていると言います。
「私の使命に、良い種を作ることがあります。なぜなら種子を買ってくれる農家さんに申し訳ないですからね」と川口さん。その取組みに、SL600GS-SPがお手伝いできそうなことも多そうです。