北海道虻田郡留寿都村を拠点に活動する有限会社サンファーム様は、だいこん、にんじん、ばれいしょ、ごぼう等の野菜の他、大豆、ハウス栽培まで幅広く手がけ、総面積にしておよそ130haを栽培する農業生産法人です。
サンファーム様の基幹作物であるだいこん、特に重労働である収穫については、以前から自走型の収穫機を使用することで、大面積でも効率のよい作業を行うよう努めてきました。
今回、数々の新機能を搭載し、さらにパワーアップした「だいこん収穫機GRH1700」について、サンファームの取締役であり、機械のオペレータも務める高田様に実作業を体感いただき、その感想を伺いました。
「搬送部の車速同調機能」で補助者との連携もスムーズにできます。
60haの大面積でだいこんを栽培しているサンファームでは、7月から10月にかけての収穫シーズン中、2台のだいこん収穫機を活用し、毎日コンスタントに60aから70aの掘取りを行っています。「これまで使用していたGRH-430に比べ、今回のGRH1700は非常に安定している印象です。前後のバランスも良いですし、掘取部が長くなっているので、より運転席から確認しやすくなりましたね。また、今回から搬送部の車速同調機能が付いたので、後ろの補助者の状況を見ながら、掘取量を車速で調整できるのも便利かなと思います。補助者の方としても、すごく楽になるんじゃないでしょうか」。搬送部の車速同調機能とは、車速とだいこんの搬送速度が同調し、車速を上げれば搬送速度も上がり、逆に車速を下げれば搬送速度も下がるというもの。これにより運転者は、機体後部でだいこんの選別、鉄コンテナへの収納を行う補助者の状況を見ながら搬送速度を自在に調節でき、掘取りから選別、収納に至る流れ、運転者と補助者の連携がよりスムーズになるのです。「この機械の場合、後ろの補助者の手が追いつく範囲が作業速度の限界になりますので、お互いに連携を取りながら作業を進めていく必要があるんですね」。これまでのオペレータとしての経験を踏まえ、実作業の中で高田さんは上手く新機能を使いこなしています。
足回りが強くて、パワーも十分。台風の中でも作業できそうです。
サンファームのだいこんは収穫された後、洗浄、選別等の調製を経て箱詰めされ、一旦自家の冷蔵庫に保管。収穫翌日に契約スーパー、市場に向けて出荷されます。1日の出荷量は契約によって決まっているため、シーズン中は「それこそ台風が来ても」収穫を行わない日はありません。「スーパーさんが待っていてくれますので、言葉通りの意味で、台風の中でも収穫できる機械でないと困る訳です。その点、この収穫機は足回りが強く、地面の凹凸をやわらかく吸収してくれて、乗っていてとてもバランスが良いと感じました。これなら台風の中、膝までぬかるんだほ場でも、立派に収穫してくれるのではないかと思います」
通常時は元より、悪条件下でも、重量野菜であるだいこんを収納した鉄コンテナを載せてなお高能率な作業を行うためには、エンジン馬力も重要になります。GRH1700は従来機を上回る45PSエンジンを搭載。作業に余裕をもたらします。「収穫しただいこんがコンテナに一杯になると、畑の端まで戻るのですが、その時はなるべく時間をかけたくないので、高速移動したい。そんな時に45馬力あると楽ですね。また、以前は上り坂だとパワーが足りず、どうしても足が遅くなってしまって、時間がもったいないと感じることもあったのですが、この収穫機だと力強くグイグイ走ってくれますね」 基本性能の向上、新機能の搭載により、大面積のだいこん収穫もさらに高能率に行えるようになったGRH1700。「期待していた以上に完成度が高いですね」と高田さんからも高評価をいただきました。
クボタだいこん収穫機 GRH1700
●振動式サブソイラ+3連葉分けデバイダ
振動式サブソイラでだいこんの側面・底面の土をやさしくほぐし、3連葉分けデバイダで絡み合った茎葉を分けながらかき上げて、ベルトで挟んでやさしく掘り取るため、損傷や抜き残し・茎葉の切り残しが少なく収穫できます。
●搬送部の車速同調
サイドパネルの車速同調ボタンを押すだけで、車速と搬送部が同調するので、安定した作業が楽に行えます。
●特殊スポンジ肩揃えベルト
特殊スポンジの肩揃えベルトでだいこんの肩を傷つけずに揃えるため、茎葉の切断長さを一定に保つことができるので、均一な仕上がりになり再タッピングの手間が省けます。
●自動車体水平制御
常に機体を水平に自動制御するので、走行・作業が安定します。また、左右の傾斜があってもだいこんに対して掘取部が垂直に保たれるので、掘取時の損傷・抜き残しが少なくなります。