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鉄コーティング直播で農地を守る!栽培技術を向上し、省力化した稲作体系を次世代につなぎたい

インタビュー2015/06/08

秋田県

「攻めの農業」を実現する鉄コーティング直播#03

秋田県仙北郡美郷町 城回集落営農組合

〜鉄コーティング直播で農地を守る!栽培技術を向上し、省力化した稲作体系を次世代につなぎたい〜

鉄コーティング直播で農地を守る!栽培技術を向上し、省力化した稲作体系を次世代につなぎたい

秋田県の南部、日本有数のあきたこまちの産地として名高い仙北平野の南東部に位置する美郷町。この美郷町の本堂城回地区で、地域農業を支えているのが城回集落営農組合です。農地を守るために組合が選択したのは、鉄コーティング直播栽培への取組みでした。
(この記事は、平成26年6月発行のクボタの営農情報誌『U(ユー)元氣農業 No.29』を元に構成しています)

春作業の省力化を目的に取り組んだ直播栽培

 「集落には24戸の農家があるんですが、高齢化と後継者不足で農作業に携わる人がほとんどいなくなってしまったんです。このままでは農村を維持できない、何とかしなければという思いで平成19年の圃場整備を機に城回集落営農組合を立ち上げたのです」と話す進藤 喜清組合長。「農作業をできない人の米づくりを私たちが引き受けるということで始めたものの、圃場整備が完了し、いざ作付けとなると、組合の経営面積36haの半分、18haについては、私を含めた中心メンバー3人で作業しなければなりませんでした。そうなると育苗作業が大変です。これはきびしいと。そこで苗づくりのいらない直播栽培に活路を見出そうと考えたのです」。春作業を省力化しなければ集落の農地を守れないと直播栽培の導入を決断しました。
 副組合長の進藤 敏美さんは、「まず最初に取り組んだのはV溝乾田直播でした。乾田直播は、秋のうちに代かきを行う上に、苗づくりがありませんから、私たちの思惑通りでした。しかし春作業は楽になりましたが、収量が移植と比べて2〜3割も落ちます。しかも除草が大変でした。播種後1週間くらいで除草剤のラウンドアップ剤、その後クリンチャー剤を散布しましたが抑え切れませんでした。それはもう草との戦いです。そこで、乾田直播以外の他の直播栽培にも挑戦しようと取り組んだのが鉄コーティング直播でした」と語ります。

収量と除草体系に期待して鉄コーティング直播を導入

 組合が鉄コーティング直播に最も期待したのが、収量と除草体系でした。JAの講習会に出向き、ほとんど独自で取り組んだ1年目の2haは、「大失敗です。コーティング種子の管理を私たちが怠ったというか、勉強不足で雷おこしみたいに固まってしまっていたのです。それが原因でうまく種子が圃場に落ちず、計画していた苗立ちを確保できませんでした。ただ、播種と同時に初期除草剤を散布できる除草体系で、乾田直播より除草効果が高いことがわかりました。また、同じ湛水直播の酸素発生剤コーティング直播と違い、種子の準備を農閑期にできることも魅力的でした。そして何より、育った鉄コーティング稲を見て驚きました。立派な太い株、しっかりと実った穂。これが圃場一面に育てば、移植と遜色ない収量が取れる。そう確信したんです」と副組合長。
 そこで組合は、鉄コーティング直播栽培の機械化提案を推進する秋田クボタの支援を受け、本格的に鉄コーティング直播に取り組むことにしました。

18haで挑んだ2年目で収量8.5俵を達成

 「クボタが一緒ならきっとやれる」と、秋田クボタと二人三脚で挑んだ2年目は、当初12haの計画でスタート。多目的田植機と鉄まきちゃん(6条)を導入して臨みました。しかし、4月に悪天候が続き、予定していた6haの乾田直播の播種ができない状態が続いたため、「乾田用の籾をすぐにコーティングして、鉄コーティング直播で栽培することに決めました。決断は早かったですね」と組合長。2年目にして、進藤組合長ら主要メンバーが担当する18haすべてが鉄コーティング直播栽培となりました
 前年の経験を生かし、特に注意したコーティング後の管理、秋田クボタの提案で実施した均平な圃場づくり。出芽と初期生育のための水管理。毎日が勉強だったと言います。栽培技術の向上に努めた昨年の結果は、納得の8.5俵でした。「出芽率が8割を超え、圃場一面に青々とした苗が育った時は、本当にうれしかったですよ。生育調査では9俵以上狙えると思うくらいの出来でした。この地域の移植と比べて半俵落ちですが、春作業の省力化を考えれば大満足です」。

技術と機械を次の世代に引き継いでいきたい

 「今年度はさらに作業効率を高めるために、多目的田植機+8条鉄まきちゃんを追加導入し、鉄コーティング直播に取り組んでいます。楽にできる農業でなければ、若い人が農業をしなくなります。自分たちの大切な土地を荒地にはしたくありません。私たちもあと何年農業をできるかわかりませんが、この鉄コーティング直播の技術を確立させて、機械と一緒に次の世代に引き継いでいく。そんな思いで取り組んでいます。鉄コーティング直播は、この地域の新しい農業の基盤づくりなんです」と鉄コーティング直播にかける熱い思いを語る進藤組合長。城回集落営農組合の新しい農業への挑戦は、まだ始まったばかりです。

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