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新規需要米制度を活用し、飼料用米で水田農業を活性化!

インタビュー2015/06/08

青森県

水田のフル活用・高度利用で経営の安定化と地域の活性化#03

五所川原広域水田フル活用推進協議会の取組み

〜新規需要米制度を活用し、飼料用米で水田農業を活性化!〜

新規需要米制度を活用し、飼料用米で水田農業を活性化!

養鶏場と相対契約を結んで飼料用米を生産している、青森県五所川原広域水田フル活用推進協議会。飼料用米に取り組んだ経緯や、省力化・低コスト化のための直播栽培への取組みなどを会長の渡邊 洋一さんに伺いました。
(この記事は、平成26年12月発行のクボタの営農情報誌『U(ユー)元氣農業 No.30』を元に構成しています)

転作作物として飼料用米を選択

 「飼料用米の取組みは、新規需要米制度に合わせて藤崎町にあるトキワ養鶏が大々的に飼料用米を配合飼料に活用するとの記事を新聞で見て、西北地域県民局の方を通じて、養鶏場に話を聞きに行ったのが始まりです」と語る渡邊さん。ちょうどその年に面積が10haも増え、次年度の生産調整4haをどうするか検討していたそうです。
 「この地域では、今までなら大豆か麦しか選択肢はなかったんですが、飼料用米なら、通常の稲作栽培体系と同じで取り組みやすいですし、新たな機械投資が要りません。それに私は、WCS用稲にも取り組んでいましたので、エサ米には抵抗はありませんでした。
そこで地域の仲間と一緒に、新規需要米制度を活用して、転作として飼料用米に取り組むことに決めたんです」と話します。
 渡邊さんは、同じ五所川原市の生産者に声をかけ、平成23年3月に協議会を発足。飼料用米の取組みをスタートさせました。この飼料用米の取組みは、年々作付面積が拡大し、今年(平成26年度)は、22名で160ha、来年度は4名増えて26名で252haを見込んでいます。

飼料用米配合で生まれたブランド卵

 栽培された飼料用米は、相対契約を結ぶトキワ養鶏へ出荷され、稲わらは西北五地域で畜産を営む農家へ提供されています。「飼料用米の品種は、『みなゆたか』と『べこごのみ』の2品種。『べこごのみ』は、800㎏近くの収量を確保できています。収穫後、籾の水分を14%まで乾燥させ、600㎏のフレコンバッグで出荷します」と渡邊さん。
 受け入れ先のトキワ養鶏では、青森県産飼料用米の配合を増やし、輸入トウモロコシを減らすことで卵の付加価値を高めてブランド化を図っています。特に平飼いで飼料用米68%配合の飼料を食べて育った国産鶏から生まれた卵「こめたま」は、卵黄がきれいなレモンイエローで、1個100円の高値で販売され手に入らないほどの人気です。
 渡邊さんは、トキワ養鶏と相対契約を結ぶ個人・団体の生産者同士の連携を深めようと、今年3月に「トキワ養鶏飼料用米協議会」も設立しました。「生産者同士の情報を共有し、今後増産が見込まれる飼料用米の課題をクリアにしていきたい」と今まで希薄だった他地域の生産者同士の横の繋がりを密にしたい考えです。

規模拡大には直播導入が不可欠

 「私が就農した10年ほど前には、自作地2haと借地5haほどの規模でしたが、2~3年後から5ha、10ha単位で農地が集まってきました。規模拡大に伴いまず考えたのは直播導入による育苗作業の省力化です。この地域では移植は10a当たり苗箱を30枚ほど使用します。面積が増えた時の育苗を考えたら、直播にどこかでシフトしていくべきだと思います」と説明します。
 渡邊さんは、県内の仲間との情報を共有し、プラウ・バーチカルハロー・レーザーレベラーを用いて土壌の透排水性を改善し均平を高めることで、まず乾田直播に取り組みました。しかし「この辺りは4月下旬から5月上旬にかけて頻繁に雨が降るんです。雨が降ると1週間から10日は圃場に入れず、播種作業ができません。そこで、今年から3haで鉄コーティング湛水直播にも挑戦しています」と渡邊さん。

来年度は鉄コーティング直播を10haに拡大したい

 実際に取り組まれて、「心配だった出芽は2週間ほどで問題なく芽が出ました。初めてだったので、初期生育期の水管理に少し失敗して徒長苗になったりしましたが、全体を通じて上出来だと感じています。除草剤に関してはもう少し研究の余地がありますね。」また、「来年は10haくらいはやりたいと思っています。そうなるとコーティング後の種子の乾燥場所が問題になってくるので、500㎏の種子乾燥機が欲しくてたまらないんです。仲間との共同利用も視野に検討中です」と鉄コーティング直播にかける期待は大きいと言います。
 「今、法人化するための手続きに動いています。経営基盤を確立させて、将来的には100ha規模まで持っていければと大きな夢を描いています」と話す渡邊さん。その目は五所川原地域の農業の未来をしっかりと見据えています。

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